【YOASOBI】の「祝福」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✓ 原作小説『ゆりかごの星』
✓ エアリアル視点の歌詞
✓ 主人公・スレッタの【呪い】とは
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のストーリーを知っている方・知らない方の両方に楽しんでいただけるよう、作品の内容とともにわかりやすく解説していきます。
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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』OPテーマ
今回紹介していく「祝福」はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』OPテーマとして書き下ろされた楽曲です。
2022年10月1日に配信リリースされ、2日には作中のキャラクターが登場するMVも公開されました。
”小説を音楽にするユニット” YOASOBI。
今回の楽曲は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の脚本を手掛けた大河内一楼さんによる短編小説『ゆりかごの星』をもとに制作されました。
『ゆりかごの星』はアニメ本編の前日譚といえる内容となっていますので、わかりやすくいえば「祝福」はアニメの世界観を元に作られた楽曲となっています。
作品の内容については後ほどわかりやすくご説明します。
YOASOBIのikuraさんは楽曲について、
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主題歌を務めさせていただけることを大変光栄に思います。
楽曲「祝福」では孤独な世界を生きる少女の願いに、寄り添い共に闘うガンダムの思いを胸に歌わせていただきました。アニメと合わせてこの楽曲も楽しんでいただけたら幸いです。
とコメントされていました。
歌詞では一体どんなことが歌われているのか、この記事ではアニメ・小説のあらすじを分かりやすくまとめながら紹介していきます。
まずは原作小説『ゆりかごの星』について解説します!
『ゆりかごの星』とは
アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は少女スレッタ・マーキュリーを軸に展開される、ガンダムシリーズの完全新作アニメ作品。
主人公がガンダムのテレビシリーズでは初となる女性であり、学園を舞台にしたストーリーも相まって、これまでにはなかった新しいガンダム作品として大きな注目を集めています。
主人公であるスレッタは物心つく前から母親と共に水星に移住しており、彼女は唯一の友達だったガンダム・エアリアルと生活を共にしてきました。
作中の水星は辺境の地として描かれており、人間こそ生活しているもののスレッタ以外の子供は一人もいません。
そんな中、スレッタは母親の勧めでエアリアルと共にアスティカシア高等専門学園へと編入することに。
アスティカシアへ彼女が向かうところから、アニメの物語はスタートします。
今回の楽曲の原作小説である『ゆりかごの星』は、スレッタが学園に編入される前の時間軸を舞台にしており、自我をもったガンダム・エアリアルの視点からスレッタの成長が描かれた作品となっております。
『ゆりかごの星』は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の公式サイトにて無料で読むことができるので、お時間に余裕のある方は是非。
小説はちょっと…という方向けに、小説のざっくりとした要約を載せておきます。
エアリアルはスレッタが幼い頃から彼女の成長を見守ってきた。地球圏の暮らしに憧れを持ち、「学校」を夢見るスレッタ。しかし実はスレッタの母は地球圏では”魔女”として嫌悪されており、彼女の夢が叶いそうもないことをエアリアルは知っていた。
そんなある日、エアリアルは彼女の母親から、スレッタをアスティカシア高等専門学園へ編入させることを告げられる。学園の学長はスレッタの母親を魔女扱いして迫害した張本人であるデリング総裁であり、母親はスレッタを利用したデリングへの復讐を企てていた。
スレッタの剣として同行を命じられたエアリアルは、何も知らないスレッタを復讐の道具として利用することが受け入れられずにいた。翌日、母親の思惑などつゆ知らず、嬉しそうにエアリアルに学園への編入が決まったことを報告するスレッタ。不安を抱きながらも必死に前に進もうとするスレッタの姿を見て、エアリアルは彼女の成長を実感し、一緒に学園へ向かうことを決意する。
この衝撃的な原作小説のストーリーを知ったうえで楽曲を聴いてみると、歌詞が何を描いているのかが格段に鮮明に見えてきます。
原作の内容を確認したところで、さっそく本題の歌詞をみていきましょう!
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歌詞
遥か遠くに浮かぶ星を
想い眠りにつく君の
選ぶ未来が望む道が
何処へ続いていても
共に生きるからずっと昔の記憶
連れられて来たこの星で君は
願い続けてた
遠くで煌めく景色に
飛び込むことが出来たのなら一人孤独な世界で
祈り願う
夢を描き
未来を見る
逃げ出すよりも進むことを
君が選んだのなら誰かが描いたイメージじゃなくて
誰かが選んだステージじゃなくて
僕たちが作っていくストーリー
決して一人にはさせないから
いつかその胸に秘めた
刃が鎖を断ち切るまで
ずっと共に闘うよ決め付けられた運命
そんなの壊して
僕達は操り人形じゃない
君の世界だ 君の未来だ
どんな物語にでも出来る逃げる様に 隠れる様に
乗り込んで来たコクピットには
泣き虫な君はもう居ない
いつの間にかこんなに強くこれは君の人生
(誰のものでもない)
それは答えなんて無い
(自分で選ぶ道)
もう呪縛は解いて
定められたフィクションから今
飛び出すんだ
飛び立つんだ誰にも追いつけないスピードで
地面蹴り上げ空を舞う
呪い呪われた未来は
君がその手で変えていくんだ
逃げずに進んだことできっと
掴めるものが沢山あるよ
もっと強くなれるこの星に生まれたこと
この世界で生き続けること
その全てを愛せる様に
目一杯の祝福を君に
作詞:Ayase
歌詞の意味・解釈
1番
遥か遠くに浮かぶ星を
想い眠りにつく君の
選ぶ未来が望む道が
何処へ続いていても
共に生きるから
小説『ゆりかごの星』の内容を元にした楽曲ということで、「祝福」ではガンダムであるエアリアル視点で主人公・スレッタへの想いが綴られていきます。
《遥か遠くに浮かぶ星を 想い眠りにつく君の》
ここでの「遥か遠くに浮かぶ星」とは地球のこと。
物心ついた時から辺境の地・水星でひとりぼっちだった主人公・スレッタは、はるか遠くの地球での暮らしに興味津々でした。
《選ぶ未来が望む道が 何処へ続いていても 共に生きるから》
しかし小説のあらすじの中で触れたように、地球圏から魔女として迫害された母親を持つスレッタを待ち受ける未来は前途多難。
そんな彼女と、彼女の唯一の友達として10年以上の年月を過ごしてきたエアリアルは彼女と共に生きていくことを決意しています。
補足ですが、エアリアルは自我があるものの人間の言葉を発することはできず、モニターの点滅などでコミュニケーションをとることしかできません。
ずっと昔の記憶
連れられて来たこの星で君は
願い続けてた
遠くで煌めく景色に
飛び込むことが出来たのなら
地球圏から迫害され、水星で生きてきたスレッタには同年代の友達というものがいませんでした。
友達はおろか、学校や街といった当たり前のものすらない水星の地。
母親も水星の外へ行ったり来たりで忙しく、彼女はずっとひとりで生きてきました。
《遠くで煌めく景色に 飛び込むことが出来たのなら》
そんな彼女がアニメや映画などを通じて抱いてきた地球圏への憧れ。
「学校」というものに通ってみたいという願い。
それが彼女の原動力になっていました。
一人孤独な世界で
祈り願う
夢を描き
未来を見る
逃げ出すよりも進むことを
君が選んだのなら
あらすじでも説明しましたが、スレッタが15歳になったある日、彼女は母親から『アスティカシア高等専門学園』への編入を進められます。
水星しか知らない自分が遥か遠くの学園でやっていけるかどうか、不安に思うスレッタ。
そんな彼女を支えたのが、「逃げたら一つ、進めば二つ」という母親からもらった言葉でした。
原作小説中のなかでスレッタが母親から幼い頃に教えられた言葉で、「逃げるよりも進んだ方が得るものが多い」という意味の言葉。
小説のキーとなるフレーズで、作中で繰り返し登場します。
《逃げ出すよりも進むことを 君が選んだのなら》
皮肉にも彼女はそんな母親の言葉を胸に、母親の真の目的など知らないままで、夢にまで見た学園生活へ歩き出すことを決意します。
サビ1
誰かが描いたイメージじゃなくて
誰かが選んだステージじゃなくて
僕たちが作っていくストーリー
決して一人にはさせないから
いつかその胸に秘めた
刃が鎖を断ち切るまで
ずっと共に闘うよ
先述した通り、楽曲の根底にあるのはエアリアルのスレッタへの想いです。
エアリアルだけは、スレッタが母親の復讐の道具として利用されようとしていることを知っています。
《誰かが描いたイメージじゃなくて 誰かが選んだステージじゃなくて 僕たちが作っていくストーリー》
だからこそサビの歌詞でエアリアルは、他の誰かが描いたイメージなんかじゃなくて、エアリアルとスレッタの二人で新しいストーリーを創造していく未来を願っているのです。
《いつかその胸に秘めた刃が鎖を断ち切るまで》
今の彼女はそんなこと知る由はないけれど、”復讐”という運命を背負わされたスレッタがいつかその運命という鎖を断ち切る日まで。
エアリアルは彼女と共に戦うことを誓います。
2番でもスレッタの成長を見守ってきたエアリアルの想いが綴られていきます。
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コメント
プロローグ見て下さい。
それ相応の復讐の理由が分かります。
やっぱこの曲好きやわ~
サビの部分のリズム最高やしな~