2番
決め付けられた運命
そんなの壊して
僕達は操り人形じゃない
君の世界だ 君の未来だ
どんな物語にでも出来る
2番冒頭の歌詞も、1番のサビ同様に”復讐”という運命を背負ったスレッタへのエアリアルの願いが描かれています。
実のところエアリアルは、スレッタを学園に編入させることには元々反対でした。
「僕はいいけど、スレッタはダメだ。あのコは、あんなにいいコなんだから。復讐なら僕らだけでやろうよ。スレッタを巻き込まないで。」
そんな想いが原作小説の中で綴られていました。
母親が復讐を望むのにもそれ相応の理由があるとはいえ、スレッタは関係ないだろうというのがエアリアルの意見。
《決め付けられた運命 そんなの壊して 僕達は操り人形じゃない》
だれよりもスレッタの未来を案ずるエアリアルだからこそ、母親の娘を復讐の道具として利用してやろうという思惑を打ち壊して彼女が自分の人生を歩むことを望んでいるのです。
逃げる様に 隠れる様に
乗り込んで来たコクピットには
泣き虫な君はもう居ない
いつの間にかこんなに強く
この部分の歌詞は原作小説中の一場面を切り取ったものです。
スレッタが9歳の時、水星の老人に意地悪された彼女は逃げるようにエアリアルのコックピットに乗り込んできました。
しかし15歳になって学園への編入を決意したスレッタはもう当時の泣き虫なスレッタではありませんでした。
「……逃げたら一つ」
「進めば二つ。だよね? エアリアル」
そう言って前を向いたスレッタ。
「勉強なら水星でもできる。君がいなくなったら、水星のみんなだって困るだろ。お母さんの道具になることはないよ。呪いは引き継がなくてもいいんだ。(中略)逃げろ、スレッタ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。」
そう考えていたエアリアルも、彼女の成長を目の当たりにしたことでスレッタと新たな場所で苦楽を共にすることを決意するのです。
これは君の人生
(誰のものでもない)
それは答えなんて無い
(自分で選ぶ道)
もう呪縛は解いて
定められたフィクションから今
飛び出すんだ
飛び立つんだ
『アスティカシア高等専門学園』へ娘を編入させ、かつて自分たちを迫害した人物への復讐を果たす。
そんなスレッタの母親が描いた青写真を、ここでエアリアルは「呪縛」「定められたフィクション」と表現しています。
スレッタの全く知らないところで、スレッタの意志とは全く関係ないところで決めつけられた運命はまさに「呪縛」と呼ぶにふさわしいものでしょう。
《もう呪縛は解いて 定められたフィクションから今 飛び出すんだ 飛び立つんだ》
エアリアルはそんな「呪縛」を解いて彼女が飛び立つことを願っています。
ラストサビ
誰にも追いつけないスピードで
地面蹴り上げ空を舞う
呪い呪われた未来は
君がその手で変えていくんだ
逃げずに進んだことできっと
掴めるものが沢山あるよ
もっと強くなれる
スレッタは「逃げたら一つ、進めば二つ」という母親の言葉を胸に、学園への編入を決意しました。
学校に行けるのが、お母さんの復讐のためだとしても。
勇気づけたのが、お母さんの言葉だったとしても。
スレッタ。君はそれ以上にいっぱい掴めばいい。
「行こう、エアリアル。一緒なら、きっと大丈夫」
小説の最終盤にはそう綴られていました。
《呪い呪われた未来は 君がその手で変えていくんだ》
何も知らない彼女を待ち受けるのがたとえ呪いであったとしても、彼らは共に地面を蹴り上げ空を舞います。
この星に生まれたこと
この世界で生き続けること
その全てを愛せる様に
目一杯の祝福を君に
【呪い】の対義語は【祝福】。
復讐という【呪い】を背負った君に、目一杯の【祝福】を。
何も知らないままに騒動に巻き込まれていくスレッタへの、エアリアルの祈りが込められた一曲。
【YOASOBI/祝福】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
プロローグ見て下さい。
それ相応の復讐の理由が分かります。
やっぱこの曲好きやわ~
サビの部分のリズム最高やしな~