【米津玄師】の
「TEENAGE RIOT
(ティーンエイジライオット)」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
多感な時期の情景が巧みに描かれています。
かなり読み応えがあると思います。
是非、最後までご覧ください!
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約7か月ぶりのシングル!
7カ月ぶりのシングルのリリースで
「Flamingo/TEENAGE RIOT」の
両A面シングルのリリースとなります。
表題曲の「Flamingo」と「TEENAGE RIOT」のほかに、3曲目に「ごめんね」が収録されており、計3曲の収録となっています。
米津玄師が歌う楽曲としては
「Lemon」以来ですが
最近では小学生ユニット「Foorin」に
「パプリカ」を作詞作曲して提供したことも
大きな話題となりました。
徹底的な歌詞の美しさにこだわる米津玄師
今回はその中でも
『TEENAGE RIOT』
に焦点を当てて徹底解説していきます。
楽曲名「TEENAGE RIOT」とは
「TEENAGE(ティーンエイジ)」とは
13歳から19歳の、10代の
という意味になっています。
「RIOT(ライオット)」とは
暴動、騒動、大混乱
を意味します。
※スラングで面白いという意味もあります。
「TEENAGE RIOT
(ティーンエイジライオット)」で
10代の騒動。
若者(学生)たちの暴動。
といったところでしょう。
この楽曲名が歌詞の内容と
どう関与しているのでしょうか。
MVの意味・解釈
MVは映像クリエイターの林響太朗が手がけており、米津作品で初のモノクロ映像となっています。
演歌、狂言を連想させた『Flamingo』
とは対照的に、ロックテイストな印象。
またこのMVは、2018年10月27、28日に千葉・幕張メッセ国際展示場ホールで行われたワンマンライブ「米津玄師 2018 LIVE / Flamingo」で「TEENAGE RIOT」が演奏された際に、バックスクリーンにて披露された。
とんでもない豪華演出ですね。
観客は生バンドによるステージと
映像の中で展開されるバンドの演奏シーン
を同時に目撃しています。
そして本楽曲は
『TEENAGE RIOT』=10代の情動
というだけあって
米津さんが14、15歳の頃に作った曲を、
10年という時を越えて
リメイクした作品であるとのこと。
中学生の時にこれを作れるなんて。
音楽センスに改めて圧倒されますね。
このセンスの高さを買われ、
GATSBYのCMソングに
『TEENAGE RIOT』は抜擢されています。
MVの公開と同時に
男性向けコスメブランドGATSBYのCMシリーズの特設サイトでは、「GATSBY COP」のサイドストーリーとなるWeb限定ムービー「GATSBY COPエピソードZERO」が公開されました。
柳楽優弥と新田真剣佑がダブル主演
を務める同CMシリーズのテーマソングで、Web限定ムービーではこの楽曲が長尺で使用されています。
挿入される『TEENAGE RIOT』に痺れます。
未視聴の方は是非視聴下さい。
では、本題の歌詞に迫っていきます。
歌詞
潮溜まりで野垂れ死ぬんだ 勇ましい背伸びの果てのメンソール
ワゴンで二足半額のコンバース トワイライト匂い出すメロディー今サイコロ振るように日々を生きて ニタニタ笑う意味はあるか
誰も興味がないそのGコードを 君はひどく愛していたんだ煩わしい心すら いつかは全て灰になるのなら
その花びらを瓶に詰め込んで火を放て 今ここで
誰より強く願えば そのまま遠く雷鳴に飛び込んで
歌えるさ カスみたいな だけど確かな バースデイソングしみったれたツラが似合うダークホース 不貞腐れて開けた壁の穴
あの時言えなかった三文字 ブラスバンド鳴らし出すメロディー真面目でもないのに賢しい顔で ニヒリスト気取ってグルーミー
誰も聴いちゃいないそのDコードを それでもただ信じていたんだよーいどんで鳴る銃の音を いつの間にか聞き逃していた
地獄の奥底にタッチして走り出せ 今すぐに
誰より独りでいるなら 誰より誰かに届く歌を
歌えるさ 間の抜けた だけど確かな バースデイソング持て余して放り出した叫び声は
取るに足らない言葉ばかりが並ぶ蚤の市にまた並んで行く
茶化されて汚されて恥辱の果て辿り着いた場所はどこだ
何度だって歌ってしまうよ どこにも行けないんだと
だからこそあなたに会いたいんだと
今煩わしい心すら いつかは全て灰になるのなら
その花びらを瓶に詰め込んで火を放て 今ここで
誰より強く願えば そのまま遠く雷鳴に飛び込んで
歌えるさ カスみたいな だけど確かな バースデイソング
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歌詞の意味・解釈
前提として
『TEENAGE RIOT』=10代の情動
と楽曲タイトルから解釈できるように
やはり、歌詞の内容も
10代目線で描かれた歌詞になっています。
そのため、10代の方は共感できる部分が多いと思います。しかし、大人も10代の頃自分を心のどこかに飼っているもの。
そういう意味では、
幅広い世代に共感性が高いナンバー
であると思います。
それでは、細かく解釈していきます。
1番
潮溜まりで野垂れ死ぬんだ 勇ましい背伸びの果てのメンソール
冒頭のワード『潮溜まり』
これだけで10代の情動を比喩しています。
潮溜まりとは、
干潮時に凹所に海水がとり残された場所。
潮だまりは雨や太陽の直射など気象の影響を強く受けるため、塩分濃度・水温など水質が短時間できわめて激しく変化するそう。このため潮だまりにすむ生物は、この厳しい環境の変化に耐える性質をもつ必要がある。
- 短時間で激しく変化する情動
- 周囲の抑圧(環境に)対する忍耐
まさに自由がきかない多感な10代
これを比喩しています。
それを踏まえると
潮だまりで 野たれ死ぬんだ
勇ましい 背伸びの果ての面相
の部分は、
“いくら大人びたとしても、
周囲はそうは扱ってくれない
だから反抗する”
周囲の抑圧に耐えることができない主人公
の情景を写していることが分かります。
ワゴンで2足 半額のコンバース
トワイライト 匂い出すメロディー
ここでは、学校を彷彿させるワードが並びます。
ワゴンで二足というのは
こうして、給食を運んでいる情景。
コンバースというのは、
そのままスニーカーを指しますが、
半額というところに学生感が漂います。
ワゴンで2足 半額のコンバース
は連なっている為、給食とかは関係なく、純粋に買い物かごの中にある半額スニーカーを指す1フレーズなのかも知れませんが。
トワイライトとは、
「薄明り」や「黄昏(たそがれ)」
という意味の言葉です。
黄昏は「夕方の薄暗いころ」を示すため
トワイライト 匂い出すメロディー
というのは、放課後につれて、
テンションが上がり、ワクワクする様子
を写しているのでしょう。
今サイコロ振るように日々を生きて
ニタニタ笑う意味はあるか
誰も興味がないそのGコードを
君はひどく愛していたんだ
振ったサイコロがどんな目が出るのか。
それは誰にも分かりません。
今サイコロ振るように
日々を生きて ニタニタ笑う
とはつまり、何が起こるかわからない、
行き当たりばったりな日常を指します。
そんな、明確な目標もない日々に対し
「意味はあるか?」
と皮肉を込めた言い方をしています。
しかし、そんな皮肉な日々
(誰も興味が無い そのGコード)を
君は酷く 愛していたんだ
とあります。
意味はあるか?
と、説いたのは大人になった今の自分。
愛していた君
は、10代の自分。
といったところでしょう。
サビ1
煩わしい心すら
いつかは全て 灰になるのなら
その花びらを瓶に 詰め込んで火を放て
煩わしいとは、
心を悩ましてうるさいということ。
つまり、煩わしい心とは
上でも述べたような10代の多感さを比喩。
しかし、そんな多感な時期はいつまでも続くわけではありません。いわゆる青春とはかけ離れた大人に少しずつ近づいていきます。
そう考えると
灰になるというのは、大人になる
ということ。
二度と戻らない時節に対する切なさ
が垣間見えます。
灰になる(大人になる)
ことを切なく感じているからこそ
詰め込んで火を放て
と、後ろを顧みない言葉を
並べているのでしょう。
今ここで誰より強く願えば
そのまま遠く雷鳴に飛び込んで
歌えるさ カスみたいな
だけど確かな バースデイソング
バースデイソングとは、
一般的に誰かの誕生日を祝う歌のことを示しますが単語の意味だけを直訳すると『誕生の歌』ともとることが出来ます。
大人たちに抑圧される10代。
そのなかで
- 誰より強く願う
- 遠く雷鳴に飛び込む
というような、自己を開示するような行動をとれば、きっと『存在証明』をすることができる。
だからこそ、バースデイソングなのでしょう。
また、この主人公を米津さんとして、
考察にプラスαを加えるとすると
歌えるさ
カスみたいな だけど確かな
バースデイソング
の部分に更に深く入り込むことができます。
米津さんは、幼少期から基本的に引きこもりだったそうで、自身のことを『負け犬』と称していました。
しかし、社会に流されることなく引きこもり、自分のしたいことだけに熱心になった結果、今現在のように素晴らしい音楽を多数創造することができています。
カスみたい、それでも確かに、
音楽家としての『米津玄師』は誕生したのです。
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コメント
灼熱じゃなくて病熱
恋と病熱ですね。大変失礼致しました。
ご指摘ありがとうございます。
面相じゃなくてメンソール
ご指摘ありがとうございます。修正致しました。