【ヨルシカ】の
「パレード」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
本楽曲は3rdアルバム
「だから僕は音楽を辞めた」
の収録曲となっています。
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楽曲名「パレード」とは
「パレード」とは
祭礼や祝賀の際に、
行列を組んで市街を練り歩くこと。
また、その行列。
という意味になっています。
確かに「パレード」と聞くと、
明るくて華やかなイメージ
を持ちます。
しかし、本楽曲に描かれるものは
全く対照的なもの。
決して賑やかなものではありません。
実はタイトル名と楽曲の因果関係
に関しては下記に述べていく
MVおよび歌詞考察で明らかになってきます。
ここでは
「列」
という意味を持つことだけ
覚えておいてください。
MVの意味・解釈
MVは「言って。」「ヒッチコック」
でお馴染みの大鳥監督
がディレクションを努める。
廃墟を舞台にした実写映像に
アニメーションを同期させた作品
に仕上がっています。
実写とアニメの複合なのに違和感がない。
むしろ美しいのがすごい。
では、さっそくMVの考察に移ります。
と言いたいところですが
意味深な本楽曲のMVは
歌詞の内容と密接に関与してくる
のです。
そのため、今回は歌詞考察とともに
MVも同時解釈していきます。
是非、最後までご覧ください。
歌詞
身体の奥 喉の真下
心があるとするなら
君はそこなんだろうからずっと前からわかっていたけど
歳取れば君の顔も忘れてしまうからさ
身体の奥 喉の中で
言葉が出来る瞬間を僕は知りたいからこのまま夜が明けたら
乾かないように想い出を
失くさないようにこの歌を
忘れないで もうちょっとだけでいい
一人ぼっちのパレードをずっと前から思ってたけど
君の指先の中には
たぶん神様が住んでいる
今日、昨日よりずっと前から、
ずっとその昔の昔から。
わかるんだ身体の奥 喉の真下
君の書く詩を ただ真似る日々を忘れないように
君のいない今の温度を乾かないような想い出で
失くせないでいたこの歌で
もう少しでいい もうちょっとだけでいい
一人ぼっちのパレードを
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歌詞の意味・解釈
前提として
本楽曲「パレード」は
ヨルシカの別楽曲「藍二乗」
と関連している部分が多々あります。
- 主人公の顔に塗られたインク
- 主人公が物書きであること
- 使っているインク入れ(?)が同じ
- 紙が入った木箱
などなど。
同じ世界観である可能性が非常に高い。
また「藍二乗」の歌詞では
エルマ、君なんだよ。
君だけが僕の音楽なんだ
というフレーズがあり
主人公にとってエルマ(音楽)は全て。
であることが分かりました。
しかし、「藍二乗」ならびに「パレード」が収録される今回のアルバム名は
「だから僕は音楽を辞めた」
そこから考えられるのは
「エルマの喪失」
歌詞を追っていく事でも見えてきますが
エルマは既にいない
(亡くなっている)
可能性が示唆されます。
これらの前提をもとに、
歌詞を細かく解釈していきます。
1番
身体の奥 喉の真下
心があるとするなら
君はそこなんだろうから
上でも述べましたが
「君=エルマ」です。
そして背景にあるのはエルマの喪失。
しかし
心があるとするなら君はそこ
とあるように
エルマを失ったいまでも
主人公の心には残り続けている。
ずっと前からわかっていたけど
歳取れば君の顔も忘れてしまうからさ
身体の奥 喉の中で
言葉が出来る瞬間を僕は知りたいからこのまま夜が明けたら
今、主人公が最も恐れれているのは
エルマを忘れてしまうこと
これだけでも主人公の想いの密度が伝わり
喪失した背景を想像するだけで
胸が締め付けられますね。
「身体の奥、喉の中」が指すのは「心」
“エルマを覚えているうちは
心から言葉を作ることができる”
だからその間に主人公は
やっておきたいことがあるようです。
それがサビで描かれています。
サビ1
乾かないように想い出を
失くさないようにこの歌を
忘れないで もうちょっとだけでいい
一人ぼっちのパレードを
ここのサビでは、
考察すべき点がたくさんあります。
まず、押さえておきたいのは
MVからも分かるように
主人公は物書きであること。
だから、上で述べたように
エルマを忘れたくない主人公は
文章に残そうとしているのです。
これはサビ1のタイミングで
映されるMVなのですが、
字が綴られた紙が宙に浮いていきます。
これは、主人公の想いが
天国にいる君のもとに届いている
もしくは
天国から君のもとに届いている
ことを意味しているのではないでしょうか。
また、歌詞で
乾かないように
という表現がありますが、
ここも注目ポイントです。
MVを見ると分かりますが、
終始主人公の顔から零れ続けるインクは
涙のように見えますよね。
つまり“乾かないように”が指すのは
「主人公の目から流れる涙」
も含まれており、
涙が乾けば‘’エルマ‘’を忘れそうで怖い
と思っているのかも知れません。
そしてサビの最後に出てくる
一人ぼっちのパレード
ここの解釈は、言わずもがな重要ポイントになるのですが、ここについては後述するラストサビで述べさせて頂きます。
では、2番に続きます。
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2番
ずっと前から思ってたけど
君の指先の中には
たぶん神様が住んでいる
今日、昨日よりずっと前から、
ずっとその昔の昔から。
わかるんだ
“君の指先の中には
たぶん神様が住んでいる”
とありますが
初見ではおそらく誰しもが
「ん?」
となる内容であると思います。
実はこれが何を意味するのかは、
後述する3番でぼんやり見えてきます。
3番
身体の奥 喉の真下
君の書く詩を ただ真似る日々を忘れないように
君のいない今の温度を
ここでわかる事実は
君(エルマ)も物書き
であったということ。
“真似る”という部分から分かりますが
そもそも主人公が
物書きになっているのは、
エルマに憧れたからだったのです。
それが分かると上の歌詞の
“君の指先の中には
たぶん神様が住んでいる”
の内容が見えてきますね。
エルマの指先から生まれる文字
を称賛していたのです。
それが鮮明に記憶に残っているから、
エルマを思い出すために、失ってなお
物書きを続けているのでしょう。
ラストサビ
乾かないような想い出で
失くせないでいたこの歌で
もう少しでいい もうちょっとだけでいい
一人ぼっちのパレードを
サビ1でも述べましたが
エルマを忘れそうで怖い主人公は
文字にして記憶に残そうとしています。
これを前提におくことで
“一人ぼっちのパレード”
を解釈することができます。
タイトルの解釈でも述べましたが
「パレード」には
単に「列」という意味があります。
つまり、“一人ぼっちのパレード”というのは
一人で文字列を書き続けている主人公
そのものを指す言葉なのではないでしょうか。
そう解釈すると「パレード」という
華やかなタイトルとは裏腹に
かなり切ない意味が込められた
タイトルであることが分かります。
感想
いかかでしょうか。
これは、ヨルシカさんの楽曲全般に言えることですが、表面的な衝撃を受けたと言うよりは、想いがじんわりと心に浸透していき、真に胸を締め付けられる感覚に襲われました。
また、あくまでも自己解釈ですが、
君を失ってもまだ君を想い続ける主人公。
その姿勢に心打たれました。
複数の楽曲を追うことで、
ぼんやりと見えてきた
ヨルシカワールドですが、
今後どのような展開をしていくのでしょうか。
まだ見ぬ楽曲が楽しみでなりません。
【ヨルシカ/パレード】
MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
“君の指先の中にはたぶん神様が住んでる”
この歌詞では、ピアノあるいは楽器の才能を指しているものだと解釈していました。