八月某、あの頃の景色を跨いだ
ストックホルムの露天商、
キルナ、ガムラスタンは石畳
君だけを胸に仕舞った
この空の青さも気の所為だ
笑ってた、笑った顔のまま
綴られる数々の情景。
歌詞で、あの頃の景色を「跨いだ」
とあることから、これは八月のエルマとの想い出場所であることが推測される。
主人公はエルマとの想い出の場所
を巡っているのでしょう。
情景が変わらないのにエルマはいない。
だから、君「だけ」を胸に仕舞った
とあるのです。
サビ2
最低だ 傲慢だ 君もみんな貪欲だ
ドラマチックな歌も愛もさぁ、
馬鹿らしくて仕方がないわ
知っていた 知っていた
君の人生、君のものだ
最低だっていくら叫ぼうが
エルマがいなくなったことで
愛を歌う唄を苦痛に感じている。
別楽曲「だから僕は音楽を辞めた」でも
とその心情を綴っている。
そうだ、きっとそうだ あの世では
ロックンロールが流れてるんだ
賛美歌とか流行らない
神様がいないんだから
罪も過ちも犯罪も自殺も戦争も
マイノリティも全部知らない
ここで出てくる「あの世」は
- エルマが逝っているから
- 自分が逝くつもりだから
のどちらの含みの意も考えることが出来ますが、流れ的には後者が強いのでしょう。
神様がいないから
と、ふて腐れたように
何もかもを否定しています。
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3番
最低だ 最低だ 別れなんて傲慢だ
君の全てに頷きたいんだ
そんなの欺瞞と同じだ、エルマ最低だ 最低だ
愛おしくて仕方がないわ
ドラマチックな夜で僕を悼みたい
欺瞞とは、自分で自分の心を欺くこと。
つまり、自分の本心に反しているのを分かっていながらも、無理に正当化することです。
君の全てに頷きたい
と前文で述べているが、
本心では叶わないと分かっている。
だから、欺瞞と同じだ、エルマ
と葛藤しているのです。
悼むとは
人の死を嘆くこと。
エルマの死を嘆くというよりは、エルマを喪失したことで心が死んだ自分、もしくは亡くなる予定である自分に対しての意味合いがここでは強いのでしょう。
ラストサビ
最低だ 最低だ 言葉なんて冗長だ
君の人生は月明かりだ
有りがちだなんて言わせるものか最低だ 最低だ
笑われたって仕方がないわ
最低なんて語呂だけの歌詞だ
助長とは、
必要以上に物事が多く無駄なこと。
- 気持ちよくて仕方がないわ
- 馬鹿らしくて仕方がないわ
- 愛おしくて仕方がないわ
など、収束のつかない言葉を並べる自分を客観的に見て、言葉なんて助長だと言っているのでしょう。
また「最低だ」と必要以上に述べていた理由も、語呂合わせだと言っています。
人生、二十七で死ねるなら
ロックンロールは僕を救った
考えるのも辞めだ!どうせ死ぬんだから今も、愛も、過去も、夢も、
思い出も、鼻歌も、薄い目も、夜霞も、
優しさも、苦しさも、花房も、
憂鬱も、あの夏も、この歌も、
偽善も、夜風も、嘘も、君も、
僕も、青天井も、何もいらない
どうせ死ぬから という理由で
思いつく限りの情景を全て否定しています。
今や過去を否定するだけではなく、自分の喜怒哀楽も、そして自分自身とエルマでさえも否定している。
どうにでもなれ!
と、やさぐれている様子が伝わりますね。
「最低だ」
と何度も叫んでいたように、本楽曲は主人公が抱える「不満」が徹底して吐き捨てられていたのです。
その背景には
エルマの喪失に伴う悲しみ
があるのでしょう。
その強さも伝わってきたのではないでしょうか。
感想
愛する人を失って自暴自棄になる。
形は違えど多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
そういった意味では、
共感性の高い歌詞
だったのではないかと思います。
【ヨルシカ/八月、某、月明り】
歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
サビの27歳のところですが、ロック界にはthe 27s club というものがあり有名なロックンローラーは27歳で命を落とすという迷信があるので、ロックンロールが僕を救ったという点では27歳でロックンローラーらしく死ねる+悲しみからの逃避というものではないかという考察落としておきます。