2番
体温で溶ける雪の結晶
触れることが出来ない
あなたは私の知らない時間の中にいる
2番では主人公の喪失感が色濃く描かれていきます。
1行目の「体温で溶ける雪の結晶」は、下の行の「私の知らない時間の中にいるあなた」にかかっています。
地肌に降り落ちてきては消える雪のように、あなたは私の前から消えてしまったのです。
凍える身体 力を抜いたら
震えが少し収まった
でもそれは刹那 無意識のうちに
身体が強ばっていく
ここのBメロからは、身体の緩みと緊張を繰り返す様子から、主人公の不安定な情緒を読み取ることができるのですが、実はAメロと情景が対比されています。
身体の強ばり(泣いている…?)を繰り返しているのは、体温で溶ける雪の結晶を見るたびにあなたを思い出しているからなのでしょう。
あなたは別世界に行ってしまったと分かっているのに、どうしても無意識のうちにあなたを思い出して震えてしまうのです。
サビ2
こんな真っ白な世界の中にいたら
自分だけちょっと汚れてるみたい
静寂の音がうるさくて
今夜はきっと眠れない
サビ2では、美しいホワイトクリスマスと対照的な、傷ついた自分が描かれています。
綺麗なクリスマスが自分の悲しみを加速させていく。静寂の音とは、心の中のあなたの声のこと。今夜は一晩中あなたのことで胸がいっぱいになってしまうのです、、、
時を奏でるように寄り添った
煌めきだとしても
目を閉じると望んでもいないのに
思い出してしまう
この降り積もる雪はやっぱり
あなたと見たかったな
あなたと見たかったな。
ここの歌詞が「失恋」という本楽曲の各部分を強調させる。歌詞の意味なんて考えていなくて何となく楽曲を聴いていても多くのリスナーが情景理解したことでしょう。それだけここの一文は切ない。
もういないと分かっているから思い出したくもない(望んでもいない)のに、未練が残っているから思い出してしまうんですよね。
あなたと見たかった雪は、一人ぼっちのクリスマスの中で、街をミルク色に塗り尽くしていく。
3番
純白の雪が降る
降るなら積もってね
汚くなるだけだから
そんなことを思った私は
どんな顔してた?
そしてそんな降り注ぐ雪を見ながら「降るなら積もってね」と心にもない言葉を呟く。
後に続く「汚くなるだけだから」も、別に本心にはない感情。というより綺麗な情景だけだと自分が惨めになるだけだから、逃避的に心にもないことを嘆いてしまう。
だから我に返ったときに「どんな顔をしてた?」と、惨めで一人ぼっちな自分を更に痛感してしまう、、、
ラストサビ
クリスマスなんて無ければ
いつも通りの何にも変わらない夜なのに
聖なる旋律は雪に溶けて
自分の鼓動が響いてる夜を泳ぐように過ごした
あの瞬間を
このスノードームみたいに
閉じ込められたら見えない星に願いを込めて
音が無くなった夜に
静寂な夜の中で、スノードームに閉じ込めたい綺麗な思い出を回想しながら、あなたへの想いを整理する。
聖なる旋律が響き渡るのに静寂(silent)な、そして静寂(silent)なのに心の声がうるさいクリスマスの中で、主人公はそっと星に願いを込める。
それが見えない星だと分かっていながらも。
セカオワが描くクリスマスソング「silent」は、静寂な夜にあなたのことで胸を痛くする主人公の、心締め付ける失恋ソングだったのです。
感想
恋人がいなくなって迎えるメリークリスマス。
これを経験したことがある人は、主人公の孤独な心情に強く共感してしまったのではないでしょうか。
クリスマスなんてなければ、、、
という耳に残るフレーズは、きっといろんな形で世界中のアンチクリスマスの心に響いたことでしょう、、、
それと歌詞とは別の話ですが、今作は王道だけどセカオワからしたら王道じゃない、といったある意味異質なナンバーでしたよね。伝わりにくいかもですが、個人的にはかなり好みな楽曲でした。
【SEKAI NO OWARI/silent】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
この考察すごく分かりやすくていつも拝見させていただいています。
2日前にミュージックビデオが解禁されたバードマンという曲の歌詞考察もしてもらいたいです!