【My Hair is Bad(マイヘア)】の「虜」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 追いかけるのは「相手にされない恋」
✔ 最後になりたい主人公のこだわり
✔ 2020年終盤になってバズった訳とは?
✔ 男の妄想ってこんなもん
マイヘア楽曲にしては難解な比喩表現が少ないので、考察というよりは解説や感想に近い形になっているかなと思います。一緒に歌詞の世界に浸っていきましょう。
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Tik Tokの影響で人気が再熱?
今回紹介していく「虜」は、アルバム『boys』の11番目に収録された楽曲。
アルバム自体がリリースされたのは2019年6月26日なのですが、一年以上経ったいま人気に拍車がかかり若者を中心に再ブレイクしています。
バズる要因となったのは今や『バズり曲製造機』とも言えるであろう「Tik Tok」。
ほんと影響力強いですよねTik Tok。iTunesの人気曲ランキングで『虜』の名前を見たときはかなり驚きましたが、好きな楽曲が評価されるのはやっぱり嬉しい。
と少し話が逸れてきましたが、ここから本題の楽曲考察に移っていきます。まずはタイトル名に着目していきましょう!
楽曲名「虜」とは
「虜」とは
- あることに心を奪われること。
- ある対象に対して離れらない思いを抱くこと。
という意味になっています。
楽曲においても、まさに「君の虜になった主人公」が描写されており、タイトル名と歌詞の関連性を感じることができると思います。
マイヘアの中では珍しく拗れ度が低いです。とはいえ随所に大胆な椎木節は垣間見えます。本題の歌詞を見ていきましょう!
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歌詞
朝も昼も晩も今日も明日も来週再来週も
時間もお金もギターもお気に入りのこの帽子も
今世も来世もさ来来世も晴れも雨も曇りも
春夏秋冬国内外でもクリスマスもお正月ももう欲しいなら全部君にあげてもいい
君には僕の隣が似合う僕の最後になってくれよ 僕の最後にさ
君の最後にならせてよ 君の最後にさ
僕を君にあげるその代わりに
君の最後を頂戴みんな最初を欲しがるけれど
僕はそんなのいらない
いいんだその最初のおかげで
今の君がいるんでしょいつか僕が有名になって
週刊誌かなんかで 撮られて 張られて
「どういう関係?」なんて聞かれてもすぐに答えるし
芸能人 デルモ 読モ その他諸々お姉さんの誘いに乗らないし
幼虫食べるよ バンジー飛べるよ 馬にも足にも坊主にもなるよ 嵐の中で幸せを祈るよ
飲み過ぎない 自惚れない すぐ拗ねない
よくない?よくなくなくない?愛しくなくなくない?
ほら そう底なしに君のこと思っている
でも君は僕の名前すら知らない僕の最後になってくれないか
僕の最後になってくれよ 僕の最後にさ
僕の最後になればわかるだろう
あいつはブームで終わりさ 僕の二番手にでもしとけばいい
もうくれないならいっそ奪いたい
知りたいよりも知らせたい
物語の始まりはこれから
君の最高の作詞:椎木知仁
歌詞の意味・解釈
1番
朝も昼も晩も今日も明日も来週再来週も
時間もお金もギターもお気に入りのこの帽子も
今世も来世もさ来来世も晴れも雨も曇りも
春夏秋冬国内外でもクリスマスもお正月ももう欲しいなら全部君にあげてもいい
君には僕の隣が似合う
最初にざっくり話しておくと本楽曲では「高嶺の花を追い求める男の心情」が赤裸々に描かれていきます。相手にされない恋を追いかけてしまう習性がある人は、ハッとなる部分も多くあることでしょう。
まず歌い出しでは「時間や物を全て君に捧げようとする姿」が描かれていますね。
君の望むものならなんでもあげる。だから君は僕の隣にいてくれ。
何が何でも君を手に入れたい僕は、献身することでその理想を叶えようとしているのです。裏を返すとそこまでしないと届かないくらいの場所に君はいるのでしょう。
好きな人の為ならなんだってできるような気がする恋特有のアレです。
僕の最後になってくれよ 僕の最後にさ
君の最後にならせてよ 君の最後にさ
僕を君にあげるその代わりに
君の最後を頂戴
サビでは圧倒的な主人公のこだわりが強く描かれています。共感する人も多いかも知れませんが、そのこだわりは「最後になりたい」といったもの。
これはまさに「君にとっての最後の男になりたい」という意味を含むのですが、この真意は2番の歌詞に描かれています。
最初になりたい、最後になりたいの議論はかなり意見が分かれるところですよね。2番の歌詞を読むと、あなたも「最後になりたい派」になるかもです。
2番
みんな最初を欲しがるけれど
僕はそんなのいらない
いいんだその最初のおかげで
今の君がいるんでしょ
2番で語られる「最初」ではなく「最後」になりたい理由。
それは最初といったこれまでの経験があるから今の君が形成されたという理論からきています。
ぶっちゃけ僕は最初になりたいとか考えたことがない派なのですが、他アーティスト(sumika)の言葉を借りるなら『男は最初になりたがり、女は最後になりたがる』といったものがありました。
これは男が恋を女が愛を求めているという本能的なアレが由来になっているのでしょうが、本楽曲では敢えて「みんな最初を欲しがるけれど僕はそんなのいらない」と男主人公が『最初』をバッサリ切っています。
最初があったから今の君がいる。
今更どうにもできない「最初」にこだわってしまうよりも、この前向きな考えの方が人生豊かになりそうですよね。ましてや自分を「虜」にさせてくれるほどの相手。最初にこだわるなんてけち臭いことは言ってられないのでしょう。
「最初になりたい」なんて打算抜きで追いかけたくなるものこそが「虜(恋)」と言えるのかも知れません。さらに歌詞は続いていきます。ラストサビではまさかの事実も。最後まで追っていきましょう!
いつか僕が有名になって
週刊誌かなんかで 撮られて 張られて
「どういう関係?」なんて聞かれてもすぐに答えるし
芸能人 デルモ 読モ その他諸々お姉さんの誘いに乗らないし
ここから語られるのは未来の妄想。
君と結ばれたいがために、自分の中で勝手な誓いを立てているのです。(男なら誰しもが経験あるかも…?)
有名になって他の人にチヤホヤされる状況になっても君だけを見ているし、どんなに素敵な人から誘惑されてもなびいたりはしない。
自己過大評価な妄想かもですが、不器用な主人公なりの愛の誓いといったところですね。
幼虫食べるよ バンジー飛べるよ 馬にも足にも坊主にもなるよ 嵐の中で幸せを祈るよ
飲み過ぎない 自惚れない すぐ拗ねない
よくない?よくなくなくない?愛しくなくなくない?
ほら そう底なしに君のこと思っている
でも君は僕の名前すら知らない僕の最後になってくれないか
自己過大評価な愛の誓いの後は、さらに支離滅裂な誓いが立てられています。
それは「飲み過ぎない」「自惚れない」といった内面的な誓いから、「幼虫食べるよ」「バンジー飛べるよ」といった行動化できる誓いまで様々。
ただこれだけの誓いを立てる主人公ですが「でも君は僕の名前すら知らない」という一文で一気に現実に変える。
そうです。あまりの誓いの数々で我々リスナーも騙されかけていましたが、あくまで全ては妄想で主人公は独り善がりの恋をしているだけに過ぎないのです。
ちょっと馬鹿っぽいかもですが、女性の虜になった男なんてきっと皆そんなもんです。ある意味男の心内を核心付いているといっても過言ではないかも知れません。
ラストサビ
僕の最後になってくれよ 僕の最後にさ
僕の最後になればわかるだろう
あいつはブームで終わりさ 僕の二番手にでもしとけばいい
もうくれないならいっそ奪いたい
知りたいよりも知らせたい
物語の始まりはこれから
君の最高の
ここに辿り着くまで「君を自分のものにしたい主人公の妄想」がダラダラと述べられてきましたが、それはラストサビでも同じです。
むしろ「君には他の相手がいる」という衝撃の事実がここで明らかになります。(これを踏まえると「最初になりたいと思わない」と言っていた主人公の心は強がりに支配されていたのかも…)
主人公は他の相手と楽しそうにしている姿を眺めながら「あいつはブームで終わりさ 」「いっそ奪いたい」と想いを太らせていく。
「虜」は文字通り君の虜になってしまったどうしようもない男の妄想恋愛歌だったのです。
感想
パッと聴くだけだとマイヘアにしては珍しくストレートに愛を叫んでいるな。なんて感じてしまうのですが、細かく読み取ってみれば、ストレートだけど歪んだ想いという所感が矛盾しちゃうような想いが綴られていることに気付いてしまいます。
赤裸々に男の女々しさを描くのがマイヘア歌詞の特徴だと感じている訳ですが、本楽曲「虜」もまさにその類に当てはまるなと改めて。
男の妄想ってまあこんなもんですよね。
【My Hair is Bad/虜】
歌詞の意味の解釈でした!
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