【あいみょん】の「桜が降る夜は」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ ド直球な青春恋愛ソング
✔ 胸がくすぐったくなるような歌詞
青春の香りを感じられる、とにかく青い恋の歌です。この記事では歌詞を中心に楽曲の魅力を紐解いていきます!
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『恋とオオカミには騙されない』主題歌
今回紹介していく「桜が降る夜は」は、あいみょんの2月17日発売の2021年第一弾となる楽曲。
ABEMAで放送されている恋愛リアリティショー『恋とオオカミには騙されない』の主題歌にも決定しています。
あいみょんさんは楽曲について、
レコーディング中、こんな歌詞が、こんな想いが自分の身体の中にまだあったのかと、改めて思いながらちょっと胸がくすぐったくなりました。
どうしてか分からないけど、そんな自分も残したいって日々思います。
恋心はゆっくり歳を取るのかもしれないです…。
そんなくすぐったい曲が今必要な人に届いてもらえれば嬉しいです。
そして『恋とオオカミには騙されない』の主題歌としても流れます。
さまざまな色に染まってゆく男女の物語とこの楽曲がどう合わさるのか。
楽しみにしてもらえたらと思います。
とコメントされています。
どろどろした大人の恋愛や、甘美な夜の営みを数多く歌にしてきたあいみょん。
そんな彼女が自分でも驚くほどに、「桜が降る夜は」は幼くてまっすぐな恋心を描いた楽曲になっているようです。
「そんなくすぐったい曲が今必要な人に届いてもらえれば嬉しいです。」
淡くて青い恋を求めている方必聴の一曲です。
楽曲の情報を確認したところで、さっそく歌詞を見ていきましょう…!
歌詞
4月の夜はまだ少し肌寒いね
そう語り合う微妙な距離の2人
どこかで聞いた噂話に悩まされて
危険な道ほど進みたくなる私だけど声に乗せたい気持ちが
冷たい風に流され
ざわつく川沿いをなぞり歩く桜が降る夜は
あなたに逢いたいと思います
どうしてと聞かれても
分からないのが恋で
この体ごとあなたに恋してる
それだけは分かるのです4月の夜に2人はもう会えないかな
遠くに見えるあなたはまるでしらない誰か
真面目な顔は好きだけど今は見たくない
新しい色に染まるのは桜だけでいいだけどいつかは散ってしまうと
いい加減に気づきます
でもあなたの心に雨は降らないで寂しい夜を1人
桜の花がひらり踊ってる
私の味方をしてよ
心から思うこと
今伝えるべきなのか
考えている間に春は終わる桜が降る夜は
あなたに逢いたいと思います
どうしてと聞かれても
分からないのが恋で
この体ごとあなたに恋してる
それだけは分かるのです
作詞:あいみょん
歌詞の意味・解釈
1番
4月の夜はまだ少し肌寒いね
そう語り合う微妙な距離の2人
どこかで聞いた噂話に悩まされて
危険な道ほど進みたくなる私
夜道を歩く二人の微妙な距離感が伝わってくる、絶妙な歌詞から楽曲はスタート。
《4月の夜はまだ少し肌寒いね》
この冒頭の一文で、楽曲の描く「4月の夜」という季節・時間がはっきり読み取れます。
と、同時に二人の会話のちょっとぎこちない感じも伝わってくるような。
わざわざ「まだ少し肌寒いね」という話題で語り合って会話を繋いでいる状況は、想像しただけで胸がむずがゆくなります。
楽曲の世界観・空気感が一発で伝わる、情報がぎゅっとつまった一文ですね。
《どこかで聞いた噂話に悩まされて》
これはよくある「相手に既に恋人がいるらしい」的な噂を指していると思われますが、タイアップ先である『恋とオオカミには騙されない』の内容にもぴったりあてはまります。
『恋とオオカミには騙されない』は“真実の恋”を叶えようと奮闘する10人の男女を追う恋愛リアリティーショーですが、10人の中には、好きなフリをする「嘘つき“オオカミ”」が1人以上潜んでいる…という何とも罪な番組。
《危険な道ほど進みたくなる私》
成就するとは限らない危険な恋だとわかっていながらも、楽曲の主人公はそのスリルに乗せられていきます。
だけど声に乗せたい気持ちが
冷たい風に流され
ざわつく川沿いをなぞり歩く
ざわついた心で、微妙な距離感のままざわつく川沿いをなぞり歩く二人。
好きな人と歩く夜道なのに、気持ちを言葉にできないまま時間は流れていきます。 もどかしい。
ごりごりにアダルトな恋愛を歌にしてきたあいみょんですが、未だにこんなに青くて淡い、10代の学生が共感できそうな恋心を歌詞にできてしまうのですから恐ろしいものです。
本人のコメントの中で「恋心はゆっくり歳を取るのかもしれないです…。」とありましたが、全くその通りなのかもしれません。
伝えたい気持ちは風に流される。その風が川沿いの草木をざわつかせる。そんな川沿いを二人でなぞり歩く。
流れるような言葉の展開が美しいです。
余談ですが、特に違和感なく登場する「川沿いをなぞり歩く」という表現はネットを漁ってもあいみょんくらいしか使っていない独特な表現です。楽曲『さよならの今日に』でも使っています。
「川沿いを歩く」のではなく「川沿いをなぞり歩く」。
川をなぞるように歩いているわけですから、単に「歩く」という場合よりずっと長い距離を歩いている感じがします。
歩くその瞬間を切り取るのではなく、歩いている時間の経過をも感じさせる便利な表現ですね。
サビ1
桜が降る夜は
あなたに逢いたいと思います
どうしてと聞かれても
分からないのが恋で
この体ごとあなたに恋してる
それだけは分かるのです
サビではどうやら二人は一緒にいないようなので、時系列的にこれ以降の歌詞は “二人で川沿いを歩いた” 後の話になります。
《桜が降っている》 ⇒ 《あなたに逢いたい》 という流れには、特に論理的な繋がりはありません。
美しい景色を一緒に見たいって気持ちはあるのかもしれませんが、別に一人でしみじみと楽しんだっていいはずです。
でも、ただ何となく桜が降る夜はあなたに逢いたいと思う。
どうして? わからない。
この状況こそが「恋」なのだとあいみょんは歌っています。
直結しない「桜」と「恋」という二つのテーマの取り合わせが、それだけで青春の香りを感じさせてくれますね…
2番
4月の夜に2人はもう会えないかな
遠くに見えるあなたはまるでしらない誰か
真面目な顔は好きだけど今は見たくない
新しい色に染まるのは桜だけでいい
4月の夜に手を振った後で恋しき人の後ろ姿を見送っているのか、はたまた1番とは別日なのかはわかりませんが、この時もう主人公の隣に《あなた》はいません。
さらに《4月の夜に2人はもう会えないかな》とも。
二人を取り巻く状況は明らかにはされていませんが、二人の関係には確かな時間的な制約があります。
「次の4月にはもう会えない」と解釈するのであれば二人には卒業が控えているし、そうでなくとも主人公は「微妙な距離感の関係がこのまま永遠に続くとは思っていない」のです。
《遠くに見えるあなたはまるでしらない誰か》
「あなた」の心も刻一刻と変わっていってしまいます。一緒に川沿いを歩いてくれた、あの夜の「あなた」のままでいてくれるとは限りません。一番で話に上がった《危険な噂》だって本当になるかもしれませんし….。
《新しい色に染まるのは桜だけでいい》
「あなた」には、今のままずっと変わらずにいてほしい。
今の関係がずっと続いていて欲しい。
そんなことを主人公は思っています。
これ以降も、主人公のまっすぐな想いを歌った歌詞は続いていきます。
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