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【YOASOBI/セブンティーン】歌詞の意味を徹底解釈!原作小説のストーリーと合わせて詳しく解説。

【YOASOBI】「セブンティーン」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✓ 原作「色違いのトランプ」のあらすじ

✓ 夏穂の決意と家族との別れ

 

骨助
骨助

原作未読の方にもわかりやすく、歌詞の意味と物語の背景を解説していきます。

 

 

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原作小説は「色違いのトランプ」

今回紹介していく「セブンティーン」は、”小説を音楽にするユニット” YOASOBIが2023年3月27日に配信リリースした楽曲。

4名の直木賞作家が ”はじめて○○した時に読む物語” をテーマに小説を書き下ろし、YOASOBIが楽曲化するコラボプロジェクト「はじめての」の第四弾として制作されており、直木賞作家である宮部みゆきさんによる小説「色違いのトランプ」を原作とした楽曲となっています。

 

「色違いのトランプ」のテーマは「はじめて容疑者になった時に読む物語」

物語のあらすじは以下の通りです。

並行世界で起きたテロへの関与を疑われ、捕らわれた愛娘の夏穂。宗一は夏穂を救いに、単身、もう一つの〝鏡界〞へと向かう。

 

今回の記事では小説の内容を簡単に説明しながら、「セブンティーン」の歌詞の意味を解説していきます。

小説の内容のネタバレを含みますので、小説を読まれる予定の方はご注意ください。

 

骨助
骨助

楽曲の歌詞に直結するストーリーについてのみ説明するので、興味を持たれた方はぜひ小説集「はじめての」をご確認ください!

 

歌詞

鏡写しかのような
瓜二つの世界に
それぞれ生まれた二人の私
在るべき場所が違ったか
神様が間違ったか
同じ姿形中身は真反対

違和感はどうやら
ずっと前に育ってた
パパもママも大事に思ってる
だけど私はどうやら
此処じゃ私じゃないから
赤は赤に黒は黒に戻るの

次元を隔てた向こう側の世界じゃ
今日だって残酷な悪魔が鳴いている
あっちの私は怖がりで泣き虫なの
見て見ぬ振りできないから

これじゃハッピーエンドとはいかない
それじゃ救いに行くね世界
こんな乱暴な私を許して
きっとやり遂げるから
これはバッドエンドなんかじゃない
どこに居たとしても私は
そう世界で一人のオリジナル
誇らしく思ってくれたら嬉しいな

境界の線で切り分けたこちら側の世界じゃ
今日だって呑気な天使があくびする
気付いてしまった悪は見逃せないから
帰り道を交換しよう

私が希望になるの
お別れは少し寂しいけれど
いつか目尻に作った傷も
理不尽に立ち向かった証だから

いつかハッピーエンドになるまで
世界を相手に戦うの
こんな乱暴な私をずっと
愛してくれてありがとう

これはバッドエンドなんかじゃない
どこに居たとしても私は
あなたの唯一無二のオリジナル
誇らしく生きるよ
さあ在るべき場所に帰ろう
さよならを告げたセブンティーン

 

作詞:Ayase

歌詞の意味・解釈

1番

鏡写しかのような
瓜二つの世界に
それぞれ生まれた二人の私
在るべき場所が違ったか
神様が間違ったか
同じ姿形中身は真反対

メタルコアで激しいイントロで幕を開ける楽曲「セブンティーン」。

原作「色違いのトランプ」では父親である宗一の視点から物語が始まりますが、今回の楽曲はその娘である高校生・夏穂の視点で歌詞が書かれています。

 

《鏡写しかのような 瓜二つの世界》

作中ではとある出来事をきっかけに行き来できるようになってしまった、2つの世界が描写されています。

二つの世界は瓜二つに似通っており、こっちの世界(第1境界)に存在する人物はあっちの世界(あっちの世界)でも存在しているのですが、鏡の世界のようにその性質は真反対。

こっちの世界の日本が呆れるほど平和なのに対し、あっちの世界の日本は軍国主義で日々争いが絶えません。

また、登場人物の性格についても二つの世界で大きく異なります。

 

そしてこの楽曲は、人一倍強い正義感を持つ ”こっちの世界の” 夏穂の視点で物語が描かれています。

 

骨助
骨助

ここからの説明では「こっちの世界」「あっちの世界」という言葉が何度も出てくるため若干話がややこしくなります。すみません。

 

違和感はどうやら
ずっと前に育ってた
パパもママも大事に思ってる
だけど私はどうやら
此処じゃ私じゃないから
赤は赤に黒は黒に戻るの

作中における ”違和感” の正体は、2人の夏穂と2つの世界の明らかなミスマッチです。

いわゆる平凡でどこにでもいる両親とは似ても似つかず、強い正義感と行動力を持ったこちらの世界の夏穂。

しかしこちらの世界は普通の日本なので、その正義感の行き場はありません。

 

一方であっちの世界は、テロ事件も絶えない不安定すぎる日本。

さらにあっちの世界の夏穂の両親は強い正義感をもった活動家であり、あっちの世界の父である宗一は軍国主義の日本を変えるため、反政府組織のリーダーとして活躍していました。

 

自分は神様の手違いでこっちの世界に生まれてしまっていて、向こうの両親のもとに生まれ、あっちの世界に存在するべきだったのではないか、と考えてしまうのは自然なことでしょう。

 

《私はどうやら 此処じゃ私じゃないから 赤は赤に黒は黒に戻るの》

そこでこっちの世界の夏穂は、あっちの世界の夏穂との入れ替わりを計画します。

 

次元を隔てた向こう側の世界じゃ
今日だって残酷な悪魔が鳴いている
あっちの私は怖がりで泣き虫なの
見て見ぬ振りできないから

先ほども触れたように、争いが絶えないあっちの世界。

しかし残念ながら、あっちの世界の夏穂の性格はこちらの夏穂とは真逆で、容姿は同じですが気が弱く、臆病な性格です。

壮絶なあっちの世界には不釣り合いで、氾濫組織のリーダーである父からも見限られており、環境とのあまりのミスマッチに苦しい思いをしていました。

もしこっちの世界に生まれていれば、普通に生きられたはずなのに。

 

だからこそ正義感の強いこっちの世界の夏穂はそれを見て見ぬふりをすることができず、入れ替わりを決意したのです。自分があっちの世界の夏穂として生きて、あっちの世界の夏穂が自分の代わりとして生きることを。

 

サビ1

これじゃハッピーエンドとはいかない
それじゃ救いに行くね世界
こんな乱暴な私を許して
きっとやり遂げるから
これはバッドエンドなんかじゃない
どこに居たとしても私は
そう世界で一人のオリジナル
誇らしく思ってくれたら嬉しいな

あっちの世界を救うことを決意した夏穂は、第二境界の夏穂と入れ替わり、反政府組織に加入して、軍国主義の政府と闘うこととなります。

サビの歌詞はそんな事情を知らず、夏穂を探して救い出すためににあっちの世界へ渡界してきた、実の父親の宗一に向けられたものになっています。

 

【はじめて容疑者になった時に読む物語】

そんな小説のテーマに相応しく、入れ替わりにより突然娘が反政府組織の一因となり、容疑者となってしまう衝撃的な展開。

傍から見ればバッドエンドであるようにも捉えられますが、彼女は《これはバッドエンドなんかじゃない》と曲中で想いを語ります。

《誇らしく思ってくれたら嬉しいな》

ただ自分があるべき場所に世界を救うために戻っただけで、たとえ違う世界にいようと私は私だから、と。

 

骨助
骨助

2番の歌詞の解説は本記事では割愛しますが、ここまでのストーリーを知っていると、歌詞の情景がはっきりしてくるのではないかと思います。

ラストサビ

これはバッドエンドなんかじゃない
どこに居たとしても私は
あなたの唯一無二のオリジナル
誇らしく生きるよ
さあ在るべき場所に帰ろう
さよならを告げたセブンティーン

《さあ在るべき場所に帰ろう》

最終的に、正義感の強いこっちの世界の夏穂はあっちの世界に残り、弱虫で臆病だったあっちの世界の夏穂がこっちの世界へ帰ることとなります。

最初は状況を受け入れられなかった父親である宗一も、我が子の想いを肯定し、実の子ではないあっちの世界の夏穂を家族として受け入れることを決心するのでした。

 

《さよならを告げたセブンティーン》

平衡世界の平和のために戦う17歳・夏穂の決意と、切ない家族との別れを描いた物語。

 

【YOASOBI/セブンティーン】

歌詞の意味の解釈でした!

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コメント

  1. hippo より:

    小説読んでないのですがこの記事を読んで ああ、あのシーンはこういうものだったのか、と、ちょっと感動しました。小説も読んでみようと思います。ありがとうございました

  2. 魚の より:

    楽しみ

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