アルバム「boys」収録曲。
【My Hair is Bad(マイヘア)】の
「青」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
複数の「青」による比喩表現が秀逸的で
素敵な歌詞展開にも注目の1曲です。
是非、ご一緒に考えながらお読みください。
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楽曲の基本情報
冒頭でも述べましたが、今回紹介していく「青」はアルバム「boys」の収録曲の一つ。
収録曲は以下となっています。
- 君が海
- 青
- 浮気のとなりで
- 化粧
- 観覧車
- ホームタウン
- one
- 愛の毒
- lighter
- 怠惰でいいとも!
- 虜
- 舞台をおりて
- 芝居
「青」は2番目に収録されています。
どんなメッセージが込められているのでしょうか。
では、楽曲考察に移っていきます。
楽曲名「青」とは
「青」とは、皆さんご存知の通り
色名の一つです。
一般的には
よく晴れた日中の青空や海の色。
を指すことも多いです。
その「青」が本楽曲では複数に渡り出てくるのですが、本楽曲の面白いポイントはズバリここです。
全て意味の違う青であるということ。
毎度、歌詞表現の巧みさに定評のあるマイヘア楽曲。今回は「青」という言葉を通して描かれる情景、比喩表現が秀逸的です。
では、本題の歌詞に迫っていきます。
歌詞
梅雨になる
その前に ちゃんと乾かしておいたんだ
風に飛ばされた帽子が落ちてる
夕立ちや雷 揺れた公園のブランコ
青に染まるまで今年もきっと雨が洗い流してくれると
たった二週間ほどのブルーを浴び続けたいようだ部屋干しの体操着
二限は体育館バスケ
放課後 廊下の傘がまた盗まれている
歳を取る その前に ちゃんと残しておきたかった
青がわかるうちに今年はずっと雨が泣いているかのようだ
その涙を拭かずに浴びたまま 芽吹く日を待っていた溢れた川 見に行こう
少年野球の試合 中止だろうし 電話を待ってた
土で建てたお城が水に沈む光景に
王様なんてもうとっくに国を出てた今年もきっと夏がすべて乾かしてしまうの
始まりが何かの終わりならここで濡らしたいんだ今年もきっと雨が洗い流してくれると
花になる その前に 僕らが水を浴びられるように梅雨になる
その前に ちゃんと乾かしておいたんだ
無くしてしまう前に染み込ませたい
その色が青なんだ作詞:椎木知仁
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歌詞の意味・解釈
青に染まるまで
梅雨になる
その前に ちゃんと乾かしておいたんだ
風に飛ばされた帽子が落ちてる
夕立ちや雷 揺れた公園のブランコ
青に染まるまで作詞:椎木知仁
歌詞中の梅雨は、季節表現に加えて主人公の心模様を表しているのだと思います。
雨という言葉だけではなく
- 飛ばされてポツリと地面にある帽子
- 夕立ちや雷
- 風で揺れてるブランコ
などの情景が、
ぼんやりとした憂鬱、曇りがかった心
を連想させる。
“青に染まるまで”
というのは、
曇がかった心を、
澄み渡る晴天に変えるような
晴天の日の青空
を意味しているのでしょう。
憂鬱を飛ばして欲しい
と切実に願っているのです。
今年もきっと雨が洗い流してくれると
たった二週間ほどのブルーを浴び続けたいようだ作詞:椎木知仁
ここで登場する
「二週間の青(ブルー)」は
「梅雨の雨」を比喩しており、
ブルー(憂鬱)をブルー(雨)で洗い流す。
と言っているのです。
掛け合わせが上手すぎる。
青がわかるうちに
部屋干しの体操着
二限は体育館バスケ
放課後 廊下の傘がまた盗まれている
歳を取る その前に ちゃんと残しておきたかった
青がわかるうちに作詞:椎木知仁
ここでもまた「青」が登場します。
まず、情景を読み取ると
- 体操着
- 体育館バスケ
- 放課後 廊下
と羅列されており、ここから伝わる印象は
まさに「青春真っ只中」ということ。
そして、その後の歌詞に
- 歳を取る前に、残しておきたい
- 青がわかるうちに
とあることから見えてきますね。
ここは「青春」の青を指しています。
今年はずっと雨が泣いているかのようだ
その涙を拭かずに浴びたまま
芽吹く日を待っていた作詞:椎木知仁
雨が憂鬱を洗い流してくれるから
ブルーを浴び続けたい
と言って、雨を浴び続ける主人公。
今度は、敢えてその雨を拭かずにいようとしています。
この理由がとても素敵で
“芽吹く日を待っていた”
とあります。
水を注ぐことで花が咲くように。雨を受け止める、ひいては自分の中の憂鬱を受け止めることで、心が晴れることを期待しているのです。
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その色が「青」
溢れた川 見に行こう
少年野球の試合 中止だろうし 電話を待ってた
土で建てたお城が水に沈む光景に
王様なんてもうとっくに国を出てた今年もきっと夏がすべて乾かしてしまうの
始まりが何かの終わりならここで濡らしたいんだ今年もきっと雨が洗い流してくれると
花になる その前に
僕らが水を浴びられるように作詞:椎木知仁
前半では、雨による虚しさが感じられる出来事や光景が描かれており、後半では、梅雨が終わって夏に進む際の主人公の決意のようなものが綴られています。
始まりは何かの終わり
ということは裏を返せば
梅雨が終わることで新しい夏が始まる
ということです。
今までの憂鬱は全て梅雨で洗い流して、
晴れた気持ちで夏に進みたいから
「ここで濡らしたいんだ」とあるのでしょう。
大きな花を咲かすために、水を浴びるのです。
梅雨になる
その前に ちゃんと乾かしておいたんだ
無くしてしまう前に染み込ませたい
その色が青なんだ作詞:椎木知仁
たくさんの「青」が出てきた本楽曲ですが
最後は「その色が青なんだ」
と断定して締められます。
青春時代というバックグラウンドの中で生まれるたくさんの青。
それは、憂鬱だったり、それを洗い流す雨だったりと、形を変えて主人公を取り巻いていおり、振り返った今では、青春時代の全てが「青」という言葉に収まったのでしょう。
感想
「青」という色名一つで、こんなにも巧みに情景表現がされた楽曲を、私は他に知りません。
個人的に
憂鬱→雨で洗い流す→芽吹く→花が咲く
という展開と表現力および
発想力が素敵すぎて、心にグッときました。
時間がある方はこちらのまとめをどうぞ。
【My Hair is Bad/青】
歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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