信じてる君だけはとか言わないから
この道をまっすぐ行けば帰れるから
これからも末永くお幸せに
ほら火をつけて
2番のBメロでは、サビに移る前の「気を付けて」が「火をつけて」に変化しています。
これは危険な遊び、ひいては火遊びをしている自分と彼の関係性を象徴しているのでしょう。場面場面に適した言葉選びが秀逸。
また好意を抱えたうえで放つ「これからも末永くお幸せに」という皮肉な送り出し文が非常に切ない。
本当は彼の好意を信じたいのに、負担をかけないように「信じている君だけを」とかは決して言わずに、現在の関係性を保ち続けようとしています。
サビ2
お風呂で流す嘘の匂い
首から上だけでも残してよ
心がすり切れて揺らぐから
することすればうつる匂い
首から下だけでも愛してよ
体で繋ぎ止めて揺れる夜を越えて
歌詞の内容はサビ1と類似しています。
一つ違うのはサビ1では「体で繋ぎ止めて揺れる夜」と体言止めが用いられているのに対して、サビ2では「体で繋ぎ止めて揺れる夜を越えて」と時間軸が未来に移動するように情景表現がなされています。
夜を越えて、、、の先にあるのが3番以降の歌詞といったところでしょう。
3番
夢みたい 夢みたい 夢みたいな話
なんか馬鹿みたい 馬鹿みたい
ほんと馬鹿みたいだな
馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたいだあたし
なんか夢みたい 夢みたい
ぜんぶ夢みたいだな
「夢みたい」「馬鹿みたい」と、文面だけを見れば少し異常性すらも感じさせる3番歌詞。
キケンナアソビのなれの果てといったところでしょうか。
彼を過ごしている瞬間はすごく幸せ。だけど悪い後味以外は何一つ残るものがないから「ぜんぶ夢みたい」に感じるのでしょうね。
そしてそんな夢に振り回されているから「ほんと馬鹿みたい」と溜息が出そうな気持ちも共存させているのでしょう。
やはり二人は始めから終わっていたのです。
夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょう
夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょう夕焼け小焼けで真っ赤に燃えて
ラストはまたまた異質な歌詞で締められます。
ここの歌詞を目の当たりにしたとき、多くの方が童謡「夕焼け小焼け」を想起したのではないでしょうか。
それもそのはず。夕焼け小焼けの
「ゆうやけこやけでひがくれて」
という歌詞が本楽曲のラストフレーズ
「夕焼け小焼けで真っ赤に燃えて」
と重なるのです。
ただ違うのは童謡の方は夕焼け小焼けの時間帯に日が暮れていくのに対し、本楽曲の主人公は夕焼け小焼けの時間帯、すなわち夕方以降の夜の時間帯に真っ赤に燃えてしまうのです。
つまり夜に逢引きしている主人公と彼の火遊び(キケンナアソビ)を暗示しているのでしょう。
やるせない感情を抱えながらも、好意の大きさあまり主人公は自分の精神衛生上的にも世間的にもキケンであるアソビを繰り返してしまうのです。
感想
こんな関係性は邪道だ!
と思う方も多いと思いますし、実際にそうなのですが主人公の心情に共感した方も少なくはないと思います。
とはいえ結局は心身を擦り減らすだけなんですよねこういう関係って。
また歌詞の内容もそうですが、やはり言葉の表現のセンスが半端ないなと思いました。クリープハイプは新楽曲のリリースが少ないなと寂し気に感じている今日この頃ですが、いつまで経ってもハイセンスな世界観は健在だなと。
【クリープハイプ/キケンナアソビ】
歌詞の意味の解釈でした!
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