【ずっと真夜中でいいのに。／暗く黒く】歌詞の意味を徹底解釈！人生を肯定するずとまよ初の映画主題歌

２番

在り来たりな儀式も お上手に
切磋琢磨に踊れ 秒読み
トライアングルな縁に浸っても
何処に居ても場所 疑うけど
鍛えられた細胞 崩してよ
この人生が有ること 許してよ

1番のしっとりとした曲調から一変し、2番では軽快なラップ調でリズムが刻まれていきます。

聴いていて思わず笑みがこぼれるような衝撃的な展開です…

この部分の歌詞は「暗く黒く」の歌詞の中でも、特に映画の世界観を色濃く反映した歌詞であるように思います。

《在り来たりな儀式》という歌詞は作品で登場する除霊や呪いを連想させますし、「三角窓の外側は夜」において「トライアングル」はキーテーマ。

《トライアングルな縁》というと一般には複雑な人間関係的なものを思い浮かべることができますが、作品中での主人公たちの関係性を指しているとも解釈できます。

ポップで心地よいリズムも相まって、作品を見た人にとっては恐らく映画の映像がフラッシュバックしていくような展開。

ずとまよが映画作品の主題歌を製作したのは今回の楽曲が初めてですが、かなり作品の世界観に寄り添って制作された楽曲であるように素人目では感じられました。

骨助

ずとまよ自体がかなり特色の濃いアーティストですので、その中で映画の要素をふんだんに盛り込んできたのは感激しました。

話がやや脱線しましたが本筋に戻ります。

《何処に居ても場所 疑うけど　鍛えられた細胞 崩してよ　この人生が有ること 許してよ》

”君” と出会おうと出会うまいと、主人公に明確な居場所があるわけではありません。

自分の居場所が何処にあるかなんて結局分からないし、心にこびり付いた《全然とれやしないやつ》が消えるわけでもないのです。

しかし明らかに、”君” と出会った後の主人公の人生への向き合い方は変わりました。

今まで見てきたもの 全部背負って
生きてく怪我させて

生きていれば怪我だってするし、辛い事だって絶対にある。

それでも、《この人生が有ること 許してよ》《今まで見てきたもの 全部背負って　生きてく怪我させて》。

生きる意味や理由を感じられずに漠然と生きてきた主人公は、確かに自らの人生の存在を肯定し、傷つきながらでも生きていくことを決意したのです。

ラストサビ

叶っていたいも 勝っていたいも
時間の翻弄で
目指してた果てに 行き着いた先
満たす孤独も あるのかな
止まってしまって わかりすぎたって
選び変える勇気が こんなに尊いならば
疑う必要はない 騙し合う必要もない
連鎖よ続け

君との交流を通じて自らの命を肯定できた主人公。

自分の居場所なんかわからないし、心の闇が晴れることなどない。

でも、”君” と出会って、何かを目指した果てに行き着いた先ではこんなどうしようもない孤独が満たされたりもするのかもしれない。

今までの考え方を捨てて生き方を変えたこの命がこんなに尊いならば、誰かのためになるのであれば、救われるのならば、自分は生きていたっていいのかもしれない。

別に何かを疑って切り捨てたり、何かを信じて従ったりしなくてもいいのかもしれない。

彼はそんなことを考えられるようになったのです。

「連鎖」は鎖のように物事がつながっていくこと。

《この人生が有ること 許してよ》

《今まで見てきたもの 全部背負って　生きてく怪我させて》

《連鎖よ続け》

この孤独も命も人生も、”君” との関係も、ずっと先まで続いて行け。

他人との出会いを通じて自らの命を肯定していく楽曲。

何度も聴き返したくなる素敵な楽曲でした…！

感想

ずとまよ初のタイアップ曲である「暗く黒く」。

映画の世界観に寄り添った大変素敵な楽曲でした。

《連鎖よ続け》

生きることを肯定できた主人公の、祈りにも似た最後の言葉は美しく響き渡ります。

【ずっと真夜中でいいのに。／暗く黒く】

歌詞の意味の解釈でした！