【ずっと真夜中でいいのに。(通称:ずとまよ)】の「胸の煙」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 歌詞中主人公と君の関係性とは?
✔ ダークな恋愛要素が盛り込まれた歌詞
ずとまよ楽曲の考察シリーズです。圧倒的難易度の歌詞を圧倒的な偏見で解釈しました。是非最後まで読んでみてください!
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「ありのまま 惨めな解放だ」
今回紹介していく「胸の煙」は、ずとまよの第二弾フルアルバム『ぐされ』の収録曲。
YouTube上には個人制作アニメーター“しの”が制作をしたMVが2021年2月10日に公開されており、5日間で120万再生を超える快挙を成し遂げています。
本楽曲についてACAねさんは『ありのまま 惨めな解放だ』とコメントを残しています。これは本楽曲サビ歌詞にも起用されている文字列と同じであり、楽曲メッセージの中核を担うことが推測されますね。
またMVでは「狩る側」と「狩られる側」のキャラクターが登場し、最終的にはそれらが「共存する未来」が描かれています。
ざっくりですがMVから私は「どんな立場でも分かり合える」といった、人類(動物?)愛の精神を感じました。
ただMV上で歌詞に関連してくるのは
- ループしている情景
- 少量の恋愛要素
といったところかなと個人的には考えています。ここは後の章でお話ししていきます。
では本題の楽曲考察に移っていきましょう。まずはタイトル名に着目していきます。
楽曲名「胸の煙」とは
「胸の煙」とは
- 胸の火が燃えるときに出る煙の意で、胸の中の激しい思い
- その思いがかなえられない苦しみのたとえ
といった意味を持つ言葉です。
これを把握しておくだけで「胸に火が付くくらい激しい想いが歌われているのだろうか」とか「想いが叶えられない苦しみが歌われているのだろうか」といった想像をすることができますよね。
そして実は「胸の煙」の英語版タイトルにも着目すべきポイントがあります。
上記はAppleMusicの海外バージョン表記なのですが、『One’s Mind』というタイトル名に設定されているんですよね。
ちなみに「Mind」は、心や精神を意味する言葉で「心理的に気に障る」といった意味も含みます。
One’sが自分の中の~という意味であることを踏まえると、One’s Mindというタイトルは、自分の中の苦悩や不安定さを表現しているのだと解釈することができます。
つまり「胸の煙」というタイトルは、二つある意味のうち「その思いがかなえられない苦しみのたとえ」の意が強いのです。
タイトルについて深堀したところで、本題の歌詞考察に移っていきます!
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歌詞
もう若干ジェラ付き
指の中 生乾きsmoky cloudy
縺れていって 大好き
口の中 仲直りpinkie promiseどうして 予定調和に過ぎない無意味たち
君は知ってる。
こうして 指に触れては よじれてく熱も確かに きっと不確かに
すぐ乱れていった
報われた 大袈裟なくらいじゃ
ありのまま 惨めな解放だ
辛いより もっと辛いより
すぐ堕ちていった
抱きしめて 喚いて
鳴いたりはしなくなっても
静かな波だわ waaaaaもう辛さに集中 入り込める
気持ちよく 中止準備
もし振られてた想定 入り込める
出会った瞬間に している煙撒いてくる 待って
唯一話せる デリバリー
とっくに溶けるように
頭に浮かぶまま
在り来たりなの 待って
言い換えたキスならヘルシー
とっくに溶けるように
胸の奥砕いてどうして 予定調和に過ぎない無意味たち
君は知ってる。
こうして 口に含んでは誰も選べない確かに きっと不確かに
すぐ乱れていった
報われた 大袈裟なくらいじゃ
ありのまま 惨めな解放だ
辛いより もっと辛いより
すぐ堕ちていった
抱きしめて 喚いて
鳴いたりはしなくなっても
静かな波だわどんな自堕落も 乗りこなせる
しっかり真面目に 苦しんだけど
割り切ったり でも求めたり
続ける範囲内じゃ 壊せない
声を発するまで 精一杯で
始められない確かに きっと不確かに
すぐ乱れていった
報われた 大袈裟なくらいじゃ
ありのまま 惨めな解放だ
辛いより もっと辛いより
すぐ堕ちていった
透明で冷たくて
見透かされてばかりだけど
暖かい涙は
楽しめてゆくから作詞:ACAね
歌詞の意味・解釈
1番
もう若干ジェラ付き
指の中 生乾きsmoky cloudy
縺れていって 大好き
口の中 仲直りpinkie promise
歌詞考察に移る前にお話ししておきたいのですが、MVと歌詞は切り離して考えた方が良いということです。
なぜならMVと比べて歌詞の内容は圧倒的に恋愛要素が含まれているんですよね。
ただ恋愛というには少し異質的な関係性です。
言ってしまえば周囲が羨むカップルなんかではなく、主人公から見たら1番だけど相手から見たらそうではない関係性と言った感じです。
都合の良い関係といったところかなと思っています。
以下の歌詞解説は上記の根拠を拾うように述べていきます。
まず歌い出しの歌詞ですが、ここの部分の歌詞はすごく巧みに縺れています。図にするとこんな感じです。
縺れとは線状のものがからまり合って解けなくなることで、smoky cloudyは煙のような曇りのことを、pinkie promiseは指切りのことを指します。
指の中と口の中、それぞれ以下に続く歌詞は縺れて交差させた方がすごくしっくりくるんですよね。生乾きなら口の方が合うし、指切りなんてまさしく指の話ですし。
主人公は煙のような君との関係性を続けている。指切りだけで表される秘密の関係性を保ちながら。
ジェラ付き(嫉妬)を感じるのは、君に他に本命がいるからでしょう。
ただ二人の関係性は「縺れていって…」と目に見えて分かるのですが、目に見えない(空耳)部分で「もう連れていって 大好き」と主人公は本音をこぼしています。
どうして 予定調和に過ぎない無意味たち
君は知ってる。
こうして 指に触れては よじれてく熱も
予定調和とは、予想した流れの中で物事が進み、その結果も予想通りであることを意味する言葉で、これこそが主人公と君のすべてと言っても過言ではないと考えています。
二人は本命同士ではないから、結ばれてみたところで結果は離れ離れ。だから予定調和に過ぎない過程(二人の関係)は無意味だと言っているのでしょう。
そして「君は知ってる。」というフレーズが君優位の関係性を裏付ける。
どうしようもない関係性の中でよじれていく主人公の熱。二人はどうなっていくのか。歌詞を追っていきましょう!
サビ1
確かに きっと不確かに
すぐ乱れていった
報われた 大袈裟なくらいじゃ
ありのまま 惨めな解放だ
辛いより もっと辛いより
すぐ堕ちていった
抱きしめて 喚いて
鳴いたりはしなくなっても
静かな波だわ waaaaa
1番AメロBメロで述べてきた関係性の仮説を踏まえると、難解なサビ歌詞も腑に落ちてくるのではないでしょうか。
二人の関係性は安定したものではないから「不確かにすぐ乱れていった」。
しかしその関係性すらも自分を報ってくれるものだから「ありのまま 惨めな解放」をしてしまう。
「辛いより もっと辛いより すぐ堕ちていった」もそれ以下に続く歌詞も、不当な相手である君を求めてしまう主人公の心情を投影しているのではないでしょうか。
また「静かな波だわ」とある歌詞の空耳は「静かな涙は」になります。
君には見せてはいけない涙だから、見えない(歌詞にない)ところで主人公は涙を流すのです
主人公の胸の煙はどうなっていくのか。2番以降も細かく見ていきましょう!
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コメント
“在り来たりなの待って言い換えたキスならヘルシー”……在り来たりってよくあることみたいな意味だけど、『在り来たる』は「ずっと存在していて今に至る」って意味らしいです。それって君への想いってことでしょうか。言い換えたキスならヘルシー?……意味わからんですが、言葉にして想いを伝えるよりキスにして“言い換える”方がヘルシー(健康的)……私達の関係性を保つために良いってゆうことですかね。
相も変わらずあなたの考察は凄いですね……