2番
もう辛さに集中 入り込める
気持ちよく 中止準備
もし振られてた想定 入り込める
出会った瞬間に している
2番では二人の関係性に苦悩する主人公の姿が描かれています。
「静かな涙」を流すほど苦しんでいる主人公は、君との関係を終わりにしようと画策(中止準備)しているのでしょう。
それを実行するためには、辛さがバロメーターを切らないといけないから「辛さに集中」しています。
また「振られた想定」とあるため、二人の関係を持ち込んだのは主人公側であることが予測されます。
「もしあのとき振られていたら…」そう考えつつも、主人公は苦悩を募らせていく。
煙撒いてくる 待って
唯一話せる デリバリー
とっくに溶けるように
頭に浮かぶまま
在り来たりなの 待って
言い換えたキスならヘルシー
とっくに溶けるように
胸の奥砕いてどうして 予定調和に過ぎない無意味たち
君は知ってる。
こうして 口に含んでは誰も選べない
Bメロ歌い出しの「煙撒いてくる」は「煙を巻く(相手を惑わせること)」を意味しているのでしょう。
自分は関係性に苦悩しているのに、君は優雅に煙を巻いてくる。そんなどうしようもない現状に「待って」をかけるものの、溶けるように惑わされてしまうのです。そして胸の奥が砕かれる。
本楽曲のタイトルは主人公の「激しい思い」や「苦しさ」を意味する『胸の煙』。
胸の奥が砕かれるというのは、主人公が心に抱えているたくさんの葛藤が凌駕されるということなのでしょう。どんなに苦悩しても、それは君がいて水になるのです。
<サビ2がサビ1と同じため解説を割愛します>
3番
どんな自堕落も 乗りこなせる
しっかり真面目に 苦しんだけど
割り切ったり でも求めたり
続ける範囲内じゃ 壊せない
声を発するまで 精一杯で
始められない
これまでの仮定・仮説を胸に歌詞を見ていくと、3番では振り切れない関係性に観念した心情が綴られているのだと解釈することができます。
たくさん苦しんで、一度は割り切ろうとしたけれど、また求めてしまう。やっぱり壊せない関係性。
「始められない」のは新しいスタートで、いつまでも「続ける範囲内」でのたうち回ってしまうのでしょう。
ラストサビ
確かに きっと不確かに
すぐ乱れていった
報われた 大袈裟なくらいじゃ
ありのまま 惨めな解放だ
辛いより もっと辛いより
すぐ堕ちていった
透明で冷たくて
見透かされてばかりだけど
暖かい涙は
楽しめてゆくから
ここまでずっと主人公のネガティブな胸の煙が綴られてきましたが、ラストサビにきて少しの温かみが出てきます。
辛いよりもっと辛いより堕ちていった先にあったのは、透明で冷たくて見透かされてばかりの関係性。だけどその中にも暖かいものはあったのです。
歌詞中では「静かな涙(サビ1,サビ2)」と「暖かい涙(ラストサビ)」が出現しますが、見た目上、二つの涙に相違点はありません。
しかし見方や感じ方が変わるだけで、楽になったり楽しめたりするものです。
これはきっと何事においてもそうですよね。
主人公の圧倒的な胸の煙を歌った本楽曲は、心情の変化という可能性を残して歌詞が締められていく。
感想
かなり振り切った考察になりましたが、個人的にはこういった線が歌詞の解釈として最もしっくりきました。
またMVの
- 敵対する関係性を理解し合おうとする
- それができるまで何度もループする
といったMVの情景は、関係性をどうにかしようとしている歌詞主人公の心情とマッチするものがあるのかなと思います。
また歌詞中の煙を巻くもMV中のたばこの煙と関係するものがありますし、私には完全理解が不可能でしたがMVと歌詞を絶妙に掛け合わせていくのも考察としてはすごく面白くなりそうですね。
ずとまよ楽曲の考察難易度はやはり最上です。
【ずっと真夜中でいいのに。/胸の煙】
MVと歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
“在り来たりなの待って言い換えたキスならヘルシー”……在り来たりってよくあることみたいな意味だけど、『在り来たる』は「ずっと存在していて今に至る」って意味らしいです。それって君への想いってことでしょうか。言い換えたキスならヘルシー?……意味わからんですが、言葉にして想いを伝えるよりキスにして“言い換える”方がヘルシー(健康的)……私達の関係性を保つために良いってゆうことですかね。
相も変わらずあなたの考察は凄いですね……