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【米津玄師/死神】歌詞の意味を徹底解釈!題材となった古典落語とともに詳しく解説。

2番

だらしねえ 義理も糸瓜もねえ
半端抜かしい 死ぬまでブラブラブラ
雑念 そりゃ渡りに船
アジャラカモクレン テケレッツのパー

2番冒頭は恐らく1番冒頭と同じ内容の言い換えでしょう。

男が死神に出会うシーンです。

 

金も義理も糸瓜(ヘチマ)もねえ、家族にも見捨てられた男にとって、死神の提案はまさに渡りに船。

《アジャラカモクレン テケレッツのパー》

そう唱えていればお金が舞い込んでくるわけですから、実に都合のいい呪文を男は手にしてしまったわけです。

 

つれえ いちびりのガキが
勝手やらかし お上はブラブラブラ
怨念 これじゃ気が済まねぇ
アジャラカモクレン テケレッツのパー

「いちびりの」は近畿地方の方言で「ふざけた、調子に乗った」。

 

1番同様、これまた死神視点でしょう。

好き勝手やられて、死神は激怒。これじゃ気が済まねえってわけで、男は死神に召集されて消えかけの蝋燭を手渡されるのです。

 

この古典落語の独特な世界観と、「Flamingo」「でしょましょ」「MAD HEAD LOVE」「あめふり婦人」などの楽曲に代表されるような米津玄師さんの退廃的なスタンスが絶妙に噛み合っていて、実に心地いい感じがします。

 

さあどこからどこまでやればいい
責め苦の果てに覗けるやつがいい
飛んで滑って泣いて喚いた顔が見たい
どうせ俺らの仲間入り

ここもどうやら死神視点。

怒った死神は死を告げられた男が責め苦の果てに飛んで滑って泣いて喚くのを待ち望んでいます。なんて悪趣味な。

 

《どうせ俺らの仲間入り》

という歌詞についてですが、実は落語「死神」には蝋燭が消えて死んでしまった男が死神に生まれ変わり、自分がされたのと全く同じように人間に呪文を教える….というエンディングを迎えるパターンが存在します。

その場合、男に呪文を教えた死神もまた、もともとは呪文を教えられて調子に乗った人間だったというわけ。

 

人間なんていつの時代も結局そんなもの。

《どうせ俺らの仲間入り》という言葉の裏にはそういう意味合いが込められているのでしょう。

 

ラスサビ

プリーズヘルプミー
そうだ過つは人の常 なああんたはどうすんだ
プリーズヘルプミー
あんなええもん持ったらこうなるわ
そりゃあんたのせいやんか
ああ どこへ行く 妻子もいるんです
ああ 香り立つおしまいのフレグランス

最後のサビの歌詞は、どうやら途中までは死神視点です。

 

《あんなええもん持ったらこうなるわ》

人間だれしも、呪文とか地位とか名声とか、都合のいいものを手に入れたら調子づいてしまうものです。

目が眩んで法を犯せば捕まるし、不倫でもすれば世間に叩きのめされます。

《そうだ過つは人の常》

落語「死神」が出来た江戸時代も、200年経った現代でも、そんな人の姿はどうやら変わっていません。

 

《ああ どこへ行く 妻子もいるんです》

そう必死に命乞いをする男。実に滑稽ですが、あまり他人事にもしていられないような気もしてきます。

明日は我が身かもしれません。

 

ああ 香り立つおしまいのフレグランス ……。

 

まとめ

古典落語「死神」を題材にした奇妙で滑稽な楽曲。

米津さんの独特な世界観も相まって、気だるげな楽曲の雰囲気は中毒性抜群です。

記事中でも触れましたが、お時間のある方は是非この曲の元となった落語の世界にも触れてみてはいかがでしょうか。

 

【米津玄師/死神】

歌詞の意味の解釈でした!

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コメント

  1. 匿名 より:

    米津の曲が好きで何度も聴いてます。死神も好きでしたが、歌詞の意味がイマイチわからず、モヤモヤしてました。スッキリしました!
    ありがとう!

  2. コウ より:

    ステキな文章でした。
    日本語はやっぱり素晴らしい!
    ありがとうございました .。゚+.(´▽`)。+.゚+

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