【Eve】の「遊生夢死(読み:ゆうせいぼうし)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ タイトル「遊生夢死」の意味
✔ 本来は「ゆうせいむし」?
✔ 楽曲テーマ「好きなことを諦めない」
抽象度の高い楽曲ですが、Eveさんのコメントも交えながらじっくり歌詞を考察していきます!
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「Project Young.」テーマソング
今回紹介していく「遊生夢死」は日本のインディーアニメの祭典「Project Young.」のテーマソングとしてEveさんが書き下ろした楽曲です。
YouTubeには映像クリエイター・niLによるアニメーションMVも公開されています。
「Project Young.」は2021年8月21日より開催された、26名の自主制作アニメ作家によるイベント。
「好きなことを諦めない」というテーマの元、新作アニメーションの公開やインディーアニメーター向けの公募企画などが行われています。
Eveさんは楽曲について
「好き」を表現してる人はかっこいいです。
楽しいことだけではない、苦難や辛さ、その結果がどうであれ
行き着く先には美しい未来が待っていると信じてこの曲を書きました。
とコメントされています。
Eveさんの「好き」を表現することへの想いが込められた一曲。
歌詞ではどのようなことが歌われているのか、この記事ではじっくり考察していきます。
まずはタイトル「遊生夢死」の意味をチェックしておきましょう!
タイトル「遊生夢死」とは
本来「遊生夢死」という四字熟語は「何かを成し遂げることもなく、ぼんやりと一生を過ごすこと。」という意味で、「ゆうせいむし」と読みます。
ただぼんやりと、まるで夢を見ているかのように生きて死んでいく、ということ。
四字熟語の意味だけを見るとかなりネガティブで、「好きなことを諦めない」というテーマにそぐわないような気もしますが、今回の楽曲ではその読み方が異なっています。
「ゆうせいむし」ではなく「ゆうせいぼうし」。
「夢」を「む」ではなく「ぼう」と読んでいます。
恐らくですが今回の楽曲では、あえて読み方を変えることでこれが四字熟語通りの意味ではなく、もっとポジティブな意味でのタイトルであることを示したかったのではないでしょうか。
いうなれば「夢を見ているかのようにぼんやりと一生を終える」のではなく、「夢に魅せられて一生を終える」といった具合に。
タイトルについて確認したところで、さっそく歌詞を見ていきましょう。
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歌詞
漂う思いのせいで 満たされない雨で
立ち込める 爛れてく 鈍色の月揺蕩うような声で あなたを知って
夢のようでいて
夜を壊せと 手放せと 揺らう心音をほっとした 感傷的になれば
繰り返しようのない相槌を白昼夢の底に浸かったまんまの
くたばりぞこないへ遊生夢死
才能ない脳内 唱えよシスターズ
首を垂れることしかないの
愛など満たない 性根はどうしようもないなら
再会を誓う 嫌だ
未だ僕だけをみてと恋をした 軽薄に染まれば
ただ盲目にひたすら歩けと時折見せる仕草と
その眼差しを注いで目を合わせてくれないようで冥々
瞬くように 酔った夢に生きたくて
その闇を劈くような轟音に
踊ることを止めないではっとした ただ暴君に染まれば
その笑顔に真価などないと
唾を吐き捨てるように 優しい言葉を解いて明日には忘れたようにおどけて
刺さったままの心の傷跡
僕らは逃げるように 踏みにじる想い
隠して目も当てられない眩むような銘々
あなたにとってどんな夢を描いて
唇を噛みしめる間もならないまま
ふり落ちる涙は見せないで弱さは見せないで
本当は言いたかった
綺麗ごとだけでは蜃気楼に惑うの あなたは眩しいくらい
美しい未来だ恋をした 誰も知らない世界で
願ったあの日の物語へと
作詞:Eve
歌詞の意味・解釈
1番
漂う思いのせいで 満たされない雨で
立ち込める 爛れてく 鈍色の月揺蕩うような声で あなたを知って
夢のようでいて
夜を壊せと 手放せと 揺らう心音を
冒頭の歌詞で登場する《あなた》。
これはどうも人間ではなく、楽曲の主人公が追いかけている「好きなこと」を指しているようです。
楽曲テーマは「好きなことを諦めない」。
一見するとラブソングのようですが、擬人法で「好きなこと」を《あなた》と呼んで主人公の持つ憧れや想いを描いているように思います。
「好きなこと」と出会ってから始まった夢のような日々。
《夜を壊せと 手放せと 揺らう心音を》
夜という時間も忘れて、ただ魅せられるままに、主人公は「好きなこと」を追いかけていきます。
ほっとした 感傷的になれば
繰り返しようのない相槌を白昼夢の底に浸かったまんまの
くたばりぞこないへ
かなり抽象度の高い今回の楽曲。
《ほっとした 感傷的になれば 繰り返しようのない相槌を》なんて歌詞が具体的にどういう意味なのかは正直わかりませんが、方向性としては「好きなこと」に主人公が魅せられていく様が描かれているような気がします。
白昼夢の底に使ったまんま、ぼんやりと命を消費していた《くたばりぞこない》のような自分。
そこに現れた《あなた》。繰り返しようのないくらい、深く頷いた主人公。
彼は「好きなこと」を追いかけていきます。
遊生夢死
才能ない脳内 唱えよシスターズ
首を垂れることしかないの
愛など満たない 性根はどうしようもないなら
再会を誓う 嫌だ
未だ僕だけをみてと
改めて、「遊生夢死」の元の意味は「何かを成し遂げることもなく、ぼんやりと一生を過ごすこと」。
残念ながら、「好きなこと」を追いかけたとて結果が出るとは限りません。
自分の才能の無さに打ちひしがれて首を垂れることもあるだろうし、どうしようもないこともきっとあるでしょう。
それでも、主人公は《未だ僕だけをみて》と《あなた》に告げています。
今は何も上手くできないけれど、好きなことを絶対に諦めたくはない。
そんな主人公の意志が表れているのではないでしょうか。
2番
恋をした 軽薄に染まれば
ただ盲目にひたすら歩けと時折見せる仕草と
その眼差しを注いで
「サビの無いような曲を作りたくて作り始めたのがきっかけ」とEveさんが語る今回の楽曲。
楽曲に大きな区切れが無く、「1番」「2番」の概念があるのかはわかりませんが、この記事では便宜上ここからが「2番」とさせていただきます。
ここでは主人公と《あなた》の出会いが《恋をした》と表現されています。
最初にお話したように恐らく《あなた》は人ではなく主人公が追いかけている「好きなこと」なのですが、その出会いの衝撃はまさに恋のようなもの。
ただひたすら盲目に《あなた》を追いかけて、《あなた》にずっと自分を見ていて欲しい、時折はにかんで見せてほしい、と願う主人公は文字通り恋をしているかのようです。
音楽でも芸術でもスポーツでも、「好きなこと」に自分の努力をまだ見捨てないでほしい、という願いは共通の物なのではないでしょうか。
いつか必ず凄い曲を書いて見せるから、音楽の神様、どうか見捨てないでくれ、みたいな具合で。
目を合わせてくれないようで冥々
瞬くように 酔った夢に生きたくて
その闇を劈くような轟音に
踊ることを止めないで
主人公は《あなた》に魅せられ、酔った夢の中を生き続けることを望んでいます。
一度魅せられた「好きなこと」を生涯諦めることなく、追いかけ続けたいのです。
《その闇を劈くような轟音に踊ることを止めないで》
ずっとこの酔った夢を見ていたいから、《あなた》にはそこで鮮烈に踊り続けていて欲しい。
僕を魅了し続けていて欲しい。今更絶望させないでほしい。
この先に希望が待っていると信じて生きていかせてほしい。
「好きなこと」を追いかける主人公のそんな願いが、この歌詞には込められているのではないでしょうか。
ここからの歌詞では、Eveさんにとって「好きなことを諦めない」ということがどういうことなのかが綴られていきます。
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コメント
すげぇ 骨助さんもEveくんも
この曲に何度励まされたか、、、
この曲の意味を知って、
改めて自分の夢を追い続けようと思えました。
骨助さん、ありがとう!