【Eve(イブ)】の「闇夜」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
容姿にトラウマがある主人公。
という背景のもと解釈を行っていきます。
是非、最後までご覧ください!
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楽曲の基本情報
本楽曲は、テレビアニメ
「どろろ」第2期エンディングテーマ
としてEveが書き下ろした楽曲です。
MVは、多数のEve楽曲の映像を手がけている「Mah」と「Waboku」が共同で制作しており、モノトーンを基調としたアートワークが特徴的です。
また、視聴を終えた後の静けさも良い。
グッと余韻に浸りたくなります。
では、さっそく本題の楽曲考察に移ります。
楽曲名「闇夜」とは
「闇夜」とは
月のない夜。
という意味になっています。
そして注目したいのは月が表すもの。
月は「願望の象徴」と言われていることを、皆さんはご存知でしょうか?
つまり、月が出ない「闇夜」は
届かない願望
を象徴する意も兼ねているのです。
だから歌詞は「救いなどない」といった、ネガティブなイメージから始まるのでしょう。繋がりますね。
では、本題の歌詞に迫っていきます。
歌詞
救いなどない 生まれ堕ちてきた
歪な心の形に 勇ましい鼓動の叫び振り向きはしない 修羅の道だって
枯れゆく季節など超えて
確かな真実を探した醜い姿に
その痛みさえも気づけないまま僕達は
この皮も剥がしてしまったのああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方
呪われた世界を愛せるから
全てを背負った今憂いを纏い 闇に堕ちてきた
淀みない言の葉さえも
塞ぎこんでしまうなら産声などない 吐き出すことだって
いくつもの刃携えて 心に鬼を宿した浅ましい声に
この世界からはじき出されてく僕達は
それでも明日を願ったのああ君だって 寂しさと哀を抱いて眠るの
でもさ触れたくなって 愛しいほどの涙
きっと月が陰れば この夜の淵まで愛せるから
その炎はまだ揺らめく汚れてしまわないように
消えて無くならないように
見えないものだって抱きしめたいからあの日の僕に間違いなどない 救いの声を
失うばかりの 血の滲むような物語も
闇夜に染まれど
それでも歩みを止めることはない
もう貴方は独りじゃないからああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方 呪われた世界を 愛せるから
全てを背負った今取り戻すの
作詞作曲:Eve
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歌詞の意味・解釈
前提として
本楽曲は、アニメ「どろろ」の為に書き下ろされた楽曲ですが、ここの考察では「闇夜」を、あくまで独立した一つの音楽作品として、アニメとは切り離し考察していきます。
上の画像はMVの一部。
顔が炎で焼かれていることが分かります。
ここが注目ポイントで
本楽曲の主人公は容姿にトラウマがある
という楽曲背景が成り立ちます。
実は、どろろの「奪われた身体を取り戻すために妖怪と戦いながら冒険する」という独特な設定とも重なる部分はあるのですが、、、あまりに歌とMVが良すぎるため、切り離して考察することにしました。
1番
救いなどない 生まれ堕ちてきた
歪な心の形に 勇ましい鼓動の叫び振り向きはしない 修羅の道だって
枯れゆく季節など超えて
確かな真実を探した作詞作曲:Eve
「生まれる」ではなく敢えて
「生まれ堕ちてきた」という表現であることにも意味があります。
堕ちるは、「くずれ堕ちる」「地獄に堕ちる」などといったネガティブなイメージで使われることが多いのです。
つまり、主人公は生まれたときから、容姿にトラウマがあり、もしくはトラウマになるような出来事が起きてしまい、「生」そのものに負の感情を抱いてしまっているのです。
修羅の道という言葉もそれを裏付けています。
修羅の道は、苦しい道先
という意を込めて使われます。
生まれながらにしてマイナスな主人公。
しかし、
- 勇ましい鼓動の叫び
- 確かな真実を探した
とあるように、その逆境の中でも主人公は懸命に生きようとしています。
どうなっていくのでしょうか。
醜い姿に
その痛みさえも気づけないまま僕達は
この皮も剥がしてしまったの作詞作曲:Eve
自分で自分の首を絞める。
そんな無意識の自虐が描かれています。
醜い自分から脱却する為に、何度も自分を塗り替える(皮を剥がす)のですが、それは本当の自分から遠ざかっていく行為でしかありません。
自分を隠すことには限界があります。
一時しのぎくらいだと、痛みを感じることはありませんが、嘘を重ねる度に精神的苦痛は増幅していきます。痛みを感じたときは、そこが我慢の限界地点であり、既に手遅れなほどのダメージを感じている状態にあることでしょう。
それこそ歌詞中の「この皮」が
痛みを感じない限界点を表しています。
サビ1
ああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方
呪われた世界を愛せるから
全てを背負った今作詞作曲:Eve
苛まれているとは、
- 悩み苦しめられる。
- 追いつめられる。
といった意味を持ちます。
まさに主人公の心理を映しているのです。
そしてここで登場する「貴方」に注目。
実は、ここのサビは後の歌詞で登場する
「君目線」で、描かれているもの
になります。
つまり、「貴方」は主人公を指します。
ここの詳細は、後述していきますね。
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2番
憂いを纏い 闇に堕ちてきた
淀みない言の葉さえも
塞ぎこんでしまうなら産声などない 吐き出すことだって
いくつもの刃携えて 心に鬼を宿した作詞作曲:Eve
淀みないとは、
途中で止まることなくすらすらと喋るさま
を表す言葉です。
これを「塞ぎこんでしまう」
とありますから、
思ったこと・感じたことを口にできない
という状態が描かれていることが分かります。
しかし、そんな状態だと、生きていない状態と変わらない(産声などない)から、周囲に刃を向けるように警戒しつつも、なんとか感情を表出していくのです。
余談ですが「いくつもの刃携えて 心に鬼を宿した」という歌詞は、どうしても「百鬼丸」を連想しちゃいますね。
浅ましい声に
この世界からはじき出されてく僕達は
それでも明日を願ったの作詞作曲:Eve
浅ましいとは、
- 品性が卑しいこと
- 下劣であること
を意味する。
つまり、浅ましい声というのは
主人公を責め立てる下劣な声
を意味するのでしょう。
しかし、そんな声にも負けず明日を見ようとしています。
こんなにも前向きでいられるのは、「僕」ではなく「僕ら」だからです。
サビ2
ああ君だって 寂しさと哀を抱いて眠るの
でもさ触れたくなって 愛しいほどの涙
きっと月が陰れば
この夜の淵まで愛せるから
その炎はまだ揺らめく作詞作曲:Eve
ここで登場する「君」
歌詞を見ると、主人公と同じ境遇に立っていることが分かります。
- 触れたい
- 愛しい
とあるように主人公にとって君は特別な存在。
君視点で送られるサビを見ると分かりますが、主人公と君はお互いを尊重し合っています。
そして「月が陰れば」という部分に注目。
ここは、月がない夜「闇夜」を示しています。
ここでタイトルが回収がされます。
タイトル解釈で「闇夜」は
届かない願望を意味する。
と述べましたが歌詞を見ると
それ以外の意味も込められていることが、明確になってきます。
続く歌詞で
この夜の淵まで愛せるから
とあるように
主人公は、闇夜を愛している
のです。
ここで考えたいのは、闇夜の明暗さ。
闇夜は月が出ていない状態でありますから、一寸の光も差されていない状態です。
他人の顔なんて暗くて見えません。
つまり、「闇夜」は主人公のコンプレックスが解消されるタイミングなのです。
だから、
月が陰れば
この夜の淵まで愛せる
とあるのではないでしょうか。
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3番
汚れてしまわないように
消えて無くならないように
見えないものだって抱きしめたいからあの日の僕に間違いなどない 救いの声を
失うばかりの 血の滲むような物語も
闇夜に染まれど
それでも歩みを止めることはない
もう貴方は独りじゃないから作詞作曲:Eve
MV中では
「もう貴方は独りじゃないから」
という言葉のタイミングで、
顔の陰りが解消されます。
つまり、ここの歌詞は君視点です。
救われないほどの闇を抱えていた主人公でしたが、君の存在そのものや「貴方は独りじゃない」という言葉が、主人公の暗闇に光を差し込ませたのです。
<ラストサビの解釈は割愛します>
感想
アニメの雰囲気に合わせているということもあり、Eve楽曲にしては、珍しく沈静した雰囲気の楽曲でしたね。
はじめは、
今までと違った雰囲気だなあ。
くらいにしか思ってなかったのですが、
繰り返して聴くうちに、丁寧に紡がれていく音の一つ一つに、ドハマりしてしまいました。
また、今回の歌詞考察では、あまり触れていませんが、「どろろ」の世界観とも絶妙にマッチしており、最高の一言です、、、
【Eve/闇夜】
MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
考察お疲れ様です!!
どろろを知らない私でも楽しく読めました!
「君」と「貴方」は、同一人物を指すのではなかったのですね。なるほどなるほど。
メイルさんコメントありがとうございます。
「Eveさんの『闇夜』は好きだけど、どろろは見たことない」
という方を想定して、執筆させて頂いたため、そう言って頂けると喜ばしい限りです。
考察ありがとうございます‼︎
次から闇夜を聞く時には
もっと神曲になると思います。
(もとから神曲)