【ずっと真夜中でいいのに。(ずとまよ)】の
「蹴っ飛ばした毛布」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
この情景に涙腺が緩んでしまうこと間違いなし。
蹴飛ばした毛布に込められた想いとは?
是非、最後までご覧ください。
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楽曲の基本情報
今回紹介していく「蹴っ飛ばした毛布」は、ずとまよの1stフルアルバム「潜潜話」の収録曲。ベストアルバムのリリースに先駆けて配信された本楽曲は、曲の序盤からジャズテイストの鍵盤に惹きこまれ、平易な盛り上がりを保ちつつも、サビの中盤からの転調で再度惹き込まれる、ずとまよ屈指のスルメ曲に仕上がっています。
特にサビの「誰に話せばいい」以降のアップテンポは、グイっと惹き込まれちゃいますよね~
また、前作の「正義」を彷彿させる色鮮やかなアニメーションMVは、またもイラストレーターの革蝉が手がけており、要所要所で世界観が重なってきます。
今作「蹴っ飛ばした毛布」
前作「正義」
上のように同じペンが出現したり、主人公の少女が同一人物だったりと、情景が重なってくる2つの楽曲。私的解釈では2つの世界観は繋がっていると考えています。
そう仮説すると、より感慨深いストーリー背景が出来上がるのです。
というのも、考察結果から「正義」は母親的存在との「別れ」「追悼」を想像させる内容でしたが、蹴っ飛ばした毛布は「悲しみからの脱却」「前に進むことの大切さ」を説いている内容であると確信したからです。
前作「正義」の考察はこちらから。
二作の流れとしては
正義で追悼して下を向いていた主人公が
蹴っ飛ばした毛布で前を向く。
といったところです。
細かく、楽曲に寄り添っていきましょう。
まずは、楽曲タイトル名に着目していきます。
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楽曲名「蹴っ飛ばした毛布」とは
今回のタイトルは、容易に情景が想像できますね。
「蹴っ飛ばした毛布」
皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか?
本楽曲においての上記の行動は
起きているときにむしゃくしゃして毛布を蹴飛ばす。
というよりは
寝ているときに熱さから逃れるために蹴飛ばす。
といった、自分を守るための無意識の行動に近いのではないかと、筆者は解釈しております。
それともう一つ、この行動は
「毛布がくれた温もりを払いのける」
とも捉えることができます。
毛布の温もりを払いのけることで、
別のぬくもりを求めているのです。
毛布を蹴飛ばす行動は本来赤ちゃんに多い行動。
ん?ビビッと来ませんか?
この辺りは下記の歌詞考察の伏線。
では、一緒に歌詞を眺めていきましょう。
「蹴っ飛ばした毛布」の歌詞
要らないよ 食べかけの借りた映画も
忘れたいよ 自分のものでしかない約束も
求めすぎた 勇気なんて捨てたいや
待ちくたびれた
久しぶりだねって言えた覚悟
どうか思い出になんかしないで蹴っ飛ばした毛布
気配を探してる癖がついて
温もり飛んでった
冷え切ったパンの耳 齧ってても
傷つくことでしか
自分を保てないのは嫌だよずっと解決が 答えじゃないことが
苦しいの わかってるけど
無口な君 真似ても
今は緩い安心が不安なんだよ
誰に話せばいい これからのことばかり
大切にはできないから
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
素直になりたいんだ冷たい匂いに負けそうになるくらい
暖かさに慣れてたせいかな
触れた気体を 縒れた鞄に蔵って
君のくれたバッチ握って
張り裂けそうな声で
少しでも起き上がれないかなずっと解決が 答えじゃないことが
苦しいの ! わかってるけど
無口な君 真似ても
今は緩い安心が不安なんだよ
誰に話せばいい これからのことばかり
大切にはできないから
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
素直になりたいんだどれだけ複雑でも 辿り着いてしまうから
私は平気だよって わかって欲しいから
どれだけ単純でも 遠回して伝えるから
君が どうかなのかを 教えて欲しいから
どれだけ複雑でも 辿り着いてしまうから
私は平気だよって わかって欲しいから
どれだけ単純でも 遠回して伝えるから
君が どうかなのかを 教えて欲しいからずっと追いかけた 懐かしい匂いだけ
包まっても 嫌になるけど
少しだけ 不安だと
心地よくなる安心も 嫌なんだけど
誰に話しても これからのことばかり
大切にしていたいけど
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
今 隣にいたいんだ
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歌詞の意味・解釈
1番
要らないよ 食べかけの借りた映画も
忘れたいよ 自分のものでしかない約束も
求めすぎた 勇気なんて捨てたいや
待ちくたびれた
久しぶりだねって言えた覚悟
どうか思い出になんかしないで
まず前提として、本楽曲は上で述べたように「正義」の続編であると仮定し考察を進めていきます。
ちなみに、正義の背景にあったのは、
母親が亡くなったという嘆き。
「正義」から「蹴っ飛ばした毛布」までは、確実に時間軸は進んでいるというのに、悲しみをぬぐい切れていない主人公。「どうか思い出になんかしないで」と未だに嘆いている様子は、一人ぼっちで引きこもっている様子を鮮明に想像させる。
自分のものでしかない約束という歌詞は、二度と会うことは叶わないから、生前の約束は自分だけのものであるという定義を持って綴られているのでしょう。切なすぎて胸が締め付けられる。
蹴っ飛ばした毛布
気配を探してる癖がついて
温もり飛んでった
冷え切ったパンの耳 齧ってても
傷つくことでしか
自分を保てないのは嫌だよ
タイトル名の解釈で触れたように
毛布を蹴っ飛ばすという行動を言い換えると
「毛布が与えてくれた温もりを取り払う」
ということ。
前途したようにこれは、赤ちゃんに多い行動です。身体が温もったら毛布を蹴飛ばします。生命を維持する為に。しかし考えてみてください。身体が冷えたら誰が温もりを与えてくれるのでしょうか?
ズバリ、それは母親です。
どんなに好き勝手に毛布を蹴ったとしても、母親は身体が冷えないように再度毛布をかけてあげたり、体温で温めてくれたりするものです。
おそらくですが、主人公もそれを求めているのではないでしょうか。毛布を蹴飛ばしていたら母親が来てくれるのではないかと。
だから
気配を探してる癖がついて
という歌詞が連なってくる。
しかし
温もり飛んでった
と体温が冷え切る情景が、叶わない願望であることを象徴させているのです。
物凄く切ない歌詞だこれ、、、「冷え切ったパンの耳」など、寒色カラーから展開される情景も、まさに主人公の心情と重なっています。
サビ1
ずっと解決が 答えじゃないことが
苦しいの わかってるけど
無口な君 真似ても
今は緩い安心が不安なんだよ
誰に話せばいい これからのことばかり
大切にはできないから
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
素直になりたいんだ
ここで綴られるのは
悲しみの他にもう一つ。
このまま引きこもりを続けていたら自分はどうなるのだろう。
という歌詞中で「不安」と称される感情です。
あまりの心理的なショックにより、自分だけの世界に引きこもっている主人公ですが、周囲に干渉されない暮らしに、ある種の「安心感」を覚えていたのでしょう。
しかし将来を見据える能力がある主人公は
今は緩い安心が不安なんだよ
と、過去に囚われてできた仮の安心に不安を感じており、この芽生え始めた「不安」が主人公を変えていきます。
2番に続きます。
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2番
冷たい匂いに負けそうになるくらい
暖かさに慣れてたせいかな
触れた気体を 縒れた鞄に蔵って
君のくれたバッチ握って
張り裂けそうな声で
少しでも起き上がれないかな
「少しでも起き上がれないかな」と歌詞であるように、少しずつですが主人公は前に進みだそうとしている。その証拠にいつも履いていたスリッパを脱ぎ捨てているシーンが映されています。外に飛び出そうという心意気が伝わりますね。
また、2番の頭に綴られている「冷たい匂い」という歌詞も、亡くなってしまった母親を連想させる材料ですね。
サビ2
ずっと解決が 答えじゃないことが
苦しいの ! わかってるけど
無口な君 真似ても
今は緩い安心が不安なんだよ
誰に話せばいい これからのことばかり
大切にはできないから
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
素直になりたいんだ
サビ2は、サビ1と同じ構成になっています。
ただ一つ違うのが
サビ1では、
苦しいの わかってるけど
とあるのが
サビ2では
苦しいの !わかってるけど
という表記に変わっています。
ビックリマークは、感情を強調させるもの。
逆境の中で前に進もうとしているから、より苦しい状況になっているのです。しかし、ビックリマークは「勢い」の象徴でもあります。「前に進もうとする力強さ」も確かに込められているのではないでしょうか。
3番
どれだけ複雑でも 辿り着いてしまうから
私は平気だよって わかって欲しいから
どれだけ単純でも 遠回して伝えるから
君が どうかなのかを 教えて欲しいから
どれだけ複雑でも 辿り着いてしまうから
私は平気だよって わかって欲しいから
どれだけ単純でも 遠回して伝えるから
君が どうかなのかを 教えて欲しいから
ここの3番が泣ける。
頑張って外に出ようとしていた主人公。
もちろん「不安」というのも原因にあったのですが、一番の行動の要因がここで明らかになるのです。
全ては
私は平気だよって わかって欲しいから
という一文に込められている。
本当にグッときますね。きっと天国から見守ってくれているであろう母親を安心させるために、前を向こうとしていたのです。自分がクヨクヨしていたら母親が心配するだろうから…って。
ラストサビ
ずっと追いかけた 懐かしい匂いだけ
包まっても 嫌になるけど
少しだけ 不安だと
心地よくなる安心も 嫌なんだけど
誰に話しても これからのことばかり
大切にしていたいけど
すぐ比べ合う 周りが どうとかじゃ無くて
今 隣にいたいんだ
ラストは魂の入った玩具に背中を押されて、主人公は涙を流しながら一歩を踏み出していきます。
私的解釈に当てはめていうと、この玩具の中に入っていた魂の正体は「母親」。一歩踏み出すということは、ある意味引きずっていた母親に踏ん切りを付けるということになるから、主人公は涙を流しているのでしょう。
それを分かった上で背中を押す人形の姿からは、「母親の強さ」たるものを感じさせられました。また歌詞中の懐かしい匂いなんてまさに母親そのもの。不安を抱えながら、周囲の人間と自分を比べながらも、主人公は前を向き始めたのです。
感想
いかがでしょうか。あくまで私的解釈ですが、一人のずとまよファンとして、少しでも楽曲の奥深さを共有できたのであれば幸いです。
それにしても、心くすぶられるずとまよ楽曲の中でも、指折りの感慨深いストーリー展開だったのではないでしょうか。切なさと温かさが交わった結果、最終的に行き着いたポジティブな結末に、心が温まりました。
「ずとまよ/蹴っ飛ばした毛布」
歌詞とMVの意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
はじめまして。
自称、ずとまよの大ファンです(*^ω^*)
自分なんかでは思いもつかなかった発想と考察に感銘を受けてコメントに至りました。
前作との繋がりを加味された考察は、鳥肌モノで更に楽曲に入り込むことができました。
楽しい時間をありがとうございます(//∇//)
はじめまして
昔からずとまよ好きで聞いてました
正義のことなんですけどYOUTUBEで投稿されてる正義MVの3:20から見るに母は死亡したのではなく植物人間になったと思います
間違えてしまっていたらすみません
長文失礼しました、、(-_-;)
同じすとまよファンとして考察コメント嬉しいです。
ありがとうございます。
確かに、植物人間を彷彿させるシーンが映されていますね(^^)
あまりに切ない情景から容易に死を連想してしまいましたが、確かにその説の方が濃厚かも知れません。