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【Dear. Mr「F」/ずっと真夜中でいいのに。】歌詞とMVの意味を徹底解釈!物語が深すぎる。

2番

ずれても 気付かないまま
輪の中 軽やかな壁が見えた
空気は 読み書きできずに
吸って吐いて 返した
居場所を決めたせいで
凹んで 嵌まって 抜け出せなくなった
無限にある時間はいらない
きみが 欲しいなら

この歌詞のタイミングで映されるMVでは、円柱状の液体の中に怪物が閉じ込められているような描写がありますが、これは手術(研究)によって作られたフランケンシュタインの怪物の様に似せて描かれているのではないでしょうか。

 

また歌詞では優れた人物になろうとして

人間と隔たりができたこと(軽やかな壁)

が描かれているのでしょう。

周りの意見を聞かずに、狂気にすらはらんだ研究が行われ(空気は読み書きできずに)、その結果迫害されてしまい、闇の世界に閉じこもることになったのですから(凹んで 嵌まって 抜け出せなくなった)

サルー
サルー

「無限にある時間はいらない」というのも、手術の結果、強靭な肉体のために生き延びていく怪物のさまと重なりますし、やはりメアリー・シェリーが手掛けた小説との関連性が深いことが分かりますね。

もう冷めた きみどころじゃないくらい
時間に 追われたい
醒めた もう僕をさ
突き放してくれよ お願いだよ

怪物と少女③

ここの歌詞が全てを物語るように、怪物は、君との関係性をきっぱり忘れ去ろうとします。

しかし、そんなタイミングで君が現れます。

一度、突き放したはずなのに。

 

「もう冷めた」と何度も自分に言い聞かしていた怪物でしたが、君を前にした瞬間に溢れ出すのは、膨れ上がった愛情と嬉し涙だけだったのです。

怪物は迷わずに、君との障害である壁を壊してしまいます。

 

<サビ1とメッセージ性が類似していると判断したため、サビ2の解釈は割愛します>

3番

あぁ、なんか わからなくなりました
自分って誰 あれ 何故なれないの
降らす 張っ苦 胸が堕悪
強がり 群がり 口走り 空回り
僕なりに演じてるよ
ひとりぼっちが叫んでるよ
ねえ 気付いてた 知らなかったよ
どこに居ても 答えなど無いな

今更
ふれた温度 覚えてる
思い出して 臆病になって
それだけを ただ 繰り返したくて
どうにもならない
きみが 狂気な 僕のパワーが
消えないことは もう 知ってるよ

怪物と少女④

「光に触れてはいけない」というタブーがありましたが、怪物はそれをものともせずに、君との一瞬の時間を優先しました。理屈ではダメだと分かっていたのに、想いを止めることができなかったのです。少女の光の矢とともに、怪物は消滅していきます。。。

 

また、この3番の歌詞・MVでは怪物目線で、回想が描かれています。

サルー
サルー

それに付随して、“降らす 張っ苦”を、空耳でフラッシュバックと聞こえるようにしているのも面白いですよね。

 

ちなみに、フラッシュバックとは

過去の短いシーンが瞬間的に連続して挿入されること

を、意味するのですが、もう少し掘り下げると

強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様に夢に見たりする現象。

という意味を持つようになります。

 

だから3番の歌詞では過去の回想、その中でもトラウマ体験(闇の世界の生活)が描写されているのではないでしょうか。

ラストサビ

住む世界が違えば
会えないの? 何処に居ても
伝えられたら 変わったかな
ひとりで平気だけど 太陽はあかるいけど
きみの足跡は 消えないよ

ラストのMVは、拍手を送りたいほどの圧巻の晴天の空と、光の矢を抜き取られて羽が生えた少女が映され、物語の幕が下ろされていきます。

 

本楽曲は一貫して怪物目線で物語が綴られてきましたが、このラストサビだけは少女目線でないかと考えております。

そう考えると、

悲しみの中で前を向く少女の後ろ姿

に、胸を熱くさせられます。

 

お互いの前向きな言い訳。

と、ACAねさんはコメントを残していましたが、言い訳とは本来、自分の言動を正当化させる為のもの。二人が寄り添った結果、怪物は消滅してしまいましたが、それでも前を向こうとする姿勢は、言い方を変えて「言い訳」と称しても差し支えないでしょう。

 

今、少女が考えている「前向きな言い訳」こそが

「Dear. Mr「F」」

(親愛なるフランケンシュタイン(怪物)へ)

なのかも知れませんね。

 

感想

いかがでしょうか。

かなり果敢な姿に勇気を貰えましたが、ラストシーンを迎えるたびに、怪物が消滅した直後、涙を流してうずくまっていた少女の姿がフラッシュバックしてきて、自身としてはとてつもなく切ない気持ちに襲われています。

 

また、今回は小説「フランケンシュタイン」に寄り添って、考察を進めていきましたが、実はフランケンシュタインというのは、英語において「自ら創造したものに滅ぼされる者」「自ら撒いてしまった呪い(または災い)の種」といった意味の慣用句としても使われています。

これを基盤に

あまりの恋心の強さによって滅んでいく怪物

という解釈で物語を読んでみても面白いかも知れません。

 

あくまでも自己解釈でしたが、お互いを思いやる怪物と少女の姿、世界の決まりに潰されることなく寄り添った両者の愛に感銘を受けました。

 

にしても、メアリー・シェリーの作品に寄り添って作られているなんて、思慮深すぎませんか…

考察しつつも、ものすごく感慨深い気持ちになりました。

【ずっと真夜中でいいのに。/Dear. Mr「F」】

MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)

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コメント

  1. ASRA より:

    初めまして、
    前からzutomayoが好きで、個人的に歌詞の解釈していた韓国のものです。
    蹴っ飛ばした毛布、秒針を噛む、サターンなどを自分的に解釈してみましたが、
    Dear. Mr「F」だけは解釈的なイメージが全く取れなくて
    SALUTEさんのページに訪問してみました。
    素晴らしすぎて感動しました。
    もし、よろしければ全文ではなくても一部分を翻訳して自分のページに紹介してみてもいいでしょうか
    このような解釈を韓国のファンたちにも是非紹介してみたいです。
    金稼ぎとかは関係ありません。
    このメッセージがSALUTEさんに届くかはわかりませんが、もし読みましたらコメントお願いします。
    素晴らしい解釈、ありがとうございます。

    • サルーsalute より:

      ASRAさんこんにちは。

      感想を交えたコメント嬉しいです。
      是非、紹介しちゃってください。

      ずとまよの魅力が韓国の方でも話題になっているという事実に私も感動致しました。

  2. 通りがかり より:

    最近ずとまよを知ってこのサイトの解釈をいくつも参考にさせていただいてます!
    ちょっと気になったのですが、Fはフランケンシュタイン「博士」ではないでしょうか?怪物ではなく。

    • 通りがかり より:

      最初のページで、あえてFを怪物と解釈している、と書いていましたね…失礼しました!

  3. 匿名 より:

    初めまして、
    いきなりで悪いのですが、
    あの天使は、メアリーさんの物語で言う、
    フランケンシュタインの弟だと思います。
    mvでも矢が刺さってたし・・・
    fも恋してたから・・・

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