【ずっと真夜中でいいのに。】の「正しくなれない」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 映画「約束のネバーランド」主題歌
✔ ストーリーに寄り添った歌詞
✔ なぜか伝わるACAね語録
禁断の実写化として注目を集める「約束のネバーランド」主題歌はずとまよ。一体主題歌が何を歌っているのか、この記事ではじっくり考察していきます。
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映画「約束のネバーランド」主題歌
今回紹介していく「正しくなれない」は、2020年12月公開の映画「約束のネバーランド」主題歌として書き下ろされた楽曲です。
ずっと真夜中でいいのに。はその翌月公開の映画「さんかく窓の外側は夜」主題歌として「暗く黒く」を制作しており、立て続けの映画タイアップ抜てきとなりました。
映画「約束のネバーランド」で主人公・エマを演じる浜辺美波さんは楽曲について、
「ずっと真夜中でいいのに。」さんの世界観が好きで曲を拝聴していたので、約ネバの世界に主題歌を担当してくださるのは心強い限りでした。主題歌『正しくなれない』は環境に抗うエマたちそのもので。初めて聴いたとき約束のネバーランドの実写映画の世界観が明確にみえた気がしました。主題歌がエンドロールに流れることで完成する映画をわたしも早く観たくなりました。素敵な楽曲をありがとうございます。
とコメントされています。
映画「約束のネバーランド」は2016年8月から2020年6月まで『週刊少年ジャンプ』で連載された同名漫画を実写化した作品です。主人公・エマを中心に、少年少女たちが果敢に逆境に立ち向かっていく様を描いた物語で、今回の映画以外にもアニメ化、小説家、海外ドラマ化がなされるなど広く注目を集める作品となっています。
楽曲について確認したところで、さっそく本題の歌詞を見ていきましょう…!
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歌詞
正しくなれない 霧が毒をみた
片っ端から確かめたくて
考え続けたい
偽りで出会えた 僕らは何一つも
奪われてないから僕ら育ってゆくみたい 愛されるみたい
暖かな波を読む
今日を 今を選ぶ 澄んだ朝色
尋ねる声で何度でも僕ら嘘つきだね、両想いだね
枯れ果てるまで泣き笑い
今日を 受け入れてゆく
喜びあった日々を 忘れはしないけど知らない方が幸せだって
知れば 知り得るほど正しくなれない 霧が毒をみた
片っ端から確かめたくて
考え続けたい
偽りで出会えた 僕らは何一つも
奪われてないから今 心を閉ざさぬように
腰眈々と 訓練を続けよ
枯れ木に 笑顔だけ
君の肉体 本心全て
無駄になんかさせないよねぇ、知り得る方が幸せだって
辿り着いてもいい?君だけが見る 夕焼け風鏡
僕でもいつか 解る日まで
考え続けたい
偽りで出会えた 撓る枝分かれよ
導かれ大したもんじゃない 無駄なもんじゃない
視野は脳裏を 寛大にしていくように
ずっと もうずっと 茶化されようが
折れない砂の罠可能性が 見逃せるならば
可能性を 諦められないから
未だ正しくなれない 君が僕をみた
片っっ端から確かめたくて
考え続けたい
偽りで出会えた 僕らは何一つも全て嫌われても
奪われてないから
作詞:ACAね
歌詞の意味・解釈
浜辺さんのコメントにもありましたが、「正しくなれない」は過酷な境遇に抗う「約束のネバーランド」の登場人物たちそのものを描いたような作品となっています。
ずとまよは「さんかく窓の外側は夜」の主題歌も手掛けていますが、そちらの歌詞も作品の世界観をかなり色濃く反映したものでした。
ACAねさんが主題歌として制作する楽曲はどうやら忠実に物語に寄り添った歌詞になっているようです。
そこで今回の歌詞解釈も「約束のネバーランド」の世界観をベースに進めさせていただきます。
作品のストーリーを知らない方でも楽しめるように、解釈中に簡単なあらすじもつけています。
若干のネタバレを含みますがご了承ください。
1番
僕ら育ってゆくみたい 愛されるみたい
暖かな波を読む
今日を 今を選ぶ 澄んだ朝色
尋ねる声で何度でも
楽曲冒頭の歌詞は、さっそく物語のストーリーに沿ったものになっているように感じます。
「約束のネバーランド」の舞台は、”表向きは” 孤児院です。
《僕ら育ってゆくみたい 愛されるみたい》
ママとして慕われている人物の元で、子供たちは暖かく穏やかな日々を過ごしていました。
《暖かな波を読む》や《澄んだ朝色》といった歌詞が具体的に何を指しているかはわかりませんし、日常生活で聴くことなどまずないACAね語録的な言葉なのですが、不思議なことにそれが意味する情景が伝わってきてしまうのがACAねさんの凄いところです。
冷静に考えてみると「朝色」なんて言葉はないはずなのに…。
僕ら嘘つきだね、両想いだね
枯れ果てるまで泣き笑い
今日を 受け入れてゆく
喜びあった日々を 忘れはしないけど知らない方が幸せだって
知れば 知り得るほど
物語の舞台は ”表向きは” 孤児院ですが、その実態は孤児院とは似て非なるものです。
「約束のネバーランド」のあらすじにも書いてあるくらいでもはやネタバレですらないのですが、その正体は「人間飼育場」。
脱出困難な監獄の様な環境に子供たちを閉じ込め、成長した子供を殺して鬼の食肉として出荷する劣悪な施設だったのです。自分たちを愛してくれていた ”ママ” も、当然その事実を知ったうえで鬼側に加担していました。
そんな事実をある出来事をきっかけに知ってしまった主人公・エマは大きすぎる衝撃を受けながらも、なんとか施設を脱出しようと画策し始めます。
愛していた人が自分たちを殺そうとしていたという残酷すぎる現実。
秘密裏に進む脱出計画と、そこで繰り広げられる人間同士の心理戦。入り乱れる愛と憎悪。
《僕ら嘘つきだね、両想いだね》
《知らない方が幸せだって 知れば 知り得るほど》
お互い嘘つきで両想い。知れば知るほど、知らない方が幸せだったことばかり。
この部分の歌詞は、そんな物語の世界観を如実に反映したものであるように思います。
サビ1
正しくなれない 霧が毒をみた
片っ端から確かめたくて
考え続けたい
偽りで出会えた 僕らは何一つも
奪われてないから
《霧が毒をみた》
いままで全く見えなかった部分が、最悪の形で明るみになった。
謎に包まれていた未来が一斉に牙を向いた。
この歌詞は主人公たちが置かれている絶望的な境遇を巧みに表現しています。
「孤児院」という偽りの場所で出会えた僕ら。
彼らはどうして【正しくなれない】のか。その理由は後ほど考察していきます。
2番
今 心を閉ざさぬように
腰眈々と 訓練を続けよ
枯れ木に 笑顔だけ
君の肉体 本心全て
無駄になんかさせないよねぇ、知り得る方が幸せだって
辿り着いてもいい?
2番の歌詞も1番同様に作品の世界観に沿ったものとなっています。
もう自分のいる場所が孤児院なんかじゃないと知ってしまった主人公一行。
枯れ木のように冷め切った心で、それを大人に悟られぬよう笑顔だけ浮かべて。
《ねぇ、知り得る方が幸せだって 辿り着いてもいい?》
知らない方が幸せだったのかもしれないけれど、いっそ知る事が出来た幸せを感じられるように。
誰の命も無駄にさせないために、彼らは画策します。
サビ2
君だけが見る 夕焼け風鏡
僕でもいつか 解る日まで
考え続けたい
偽りで出会えた 撓る枝分かれよ
導かれ
2番サビで綴られるのは美しい言葉の数々。
《夕焼け風鏡》なんて言葉知らないし実際に「風鏡」なんて言葉は無いのだけれど、これまた不思議と言葉の雰囲気だけで私たちはその情景を感じ取れてしまいます。
下手に「夕焼けの中で風が吹いて…」なんて歌われるよりも美しく。
既存の言葉に捕らわれず自らの感性に従うACAねさんの言葉のマジックです。
君だけが見る美しいその景色にたどり着くその日まで。
ここでの ”君” が誰を指しているのかはいまいち断定できませんが、「夕焼け風鏡」という美しい景色が今主人公の置かれている場所にはない何かであることは間違いありません。
彼らは脱出を志している以上、もうこれまで歩んできた真っ直ぐな道のりからは外れてしまっています。
例えるならば、大きな幹から生じた《撓る枝分かれ》。
自らの命を守るため、他の誰かの命を救うため、彼らは逆境に立ち向かっていきます。
何かに導かれるままに。
以降の歌詞では彼らが「正しくなれない」その理由を考察していきます。
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コメント
学校で考察を書くときに役立ちました❗️ありがとうございます
やっぱりそうなんだなと改めてわかりました。
なんじゃこらっていう歌詞があったので、実際にはない言葉だと分かりスッキリしました
皆さんは、真実を知らないほうがしあわせだったなーって思ったことありますか。
私は、ないです