清く正しく生きること
誰も悲しませずに生きること
はみ出さず真っ直ぐに生きること
それが間違わないで生きること?
ありのまま生きることが正義か
騙し騙し生きるのは正義か
僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ
教えてくれよ
ここで描かれているのは主人公の抱える葛藤です。
このまま規則を破らずに本能を抑え、殺食を拒みつづければきっと誰も傷つけることなく生きられるはずです。
心惹かれているウサギだって、このまま関係を続けていればどこかで自分が傷つけてしまうかもしれないのだから距離を置けばいいだけの話。清く正しく生きるとはそういうことです。
でもじゃあ、何の間違いも侵さずに社会のルールだけを信じ続けることが正しい事なのか?
肉食獣としての本能を抑えて騙し騙し生きることがほんとうに正義なのか。
自分に嘘をついてまで恋心も忘れるべきなのか。
ありのまま生きることが正しい事なんじゃないのか?
《僕の在るべき姿とはなんだ 本当の僕は何者なんだ》
理性と本能の間で彼は葛藤しています。
3番
今日も
答えのない世界の中で
願ってるんだよ
不器用だけれど
いつまでも君とただ
笑っていたいから
跳ねる心臓が
体揺らし叫ぶんだよ
今こそ動き出せ
一体自分がどう生きて行けばいいのかさえ分からない、答えの無い世界。
そんな世界の中で彼の脳裏に焼き付いて離れないのは、”君” の表情だけでした。
《いつまでも君とただ 笑っていたい》
自分がすべき正しい判断もできないし、自分が一体どうしたいのかもわからない。
でも君を想っている今だけは心臓が激しく跳ね上がっている。
今までに経験したことがないくらい、自らの命が躍動しているのを感じる。
そして体が叫んでいる。
《今こそ動き出せ》
原作小説『自分の胸に自分の耳を押し当てて』は鼓動に常に焦点を当てながら物語が進んでいきます。
楽曲のこの場面で鼓動がクローズアップされているのもそのためでしょう。
ラストサビ
弱い自分を何度でもずっと
喰らい尽くす
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も泣かないよう
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるようにただ君を守るそのために
走る走る走るんだよ
僕の中の僕を超える
誰もが目を背ける裏社会の闇。
自分に何が出来るかなんてわからないし、そもそもやろうとしていることが正しい事なのかもわからない。
《君には笑ってほしいから》
それでも彼は、”君”を守るために生きることを決心します。
もう誰も泣かずに暮らせるように強くなりたい。草食獣たちを守りたい。
《ただ君を守るそのために 走る 走る 走るんだよ》
社会の闇に向かって彼は走り出します。
その「怪物」のような体とともに。
感想
『BEASTARS』の世界観を見事に描き出した、”小説を音楽にするユニット” YOASOBIの真骨頂ともいえる楽曲「怪物」。
極限まで作品に寄り添った歌詞の中で、YOASOBIの色が消えずに残っているのが彼らの愛される理由であるような気がしています。
【YOASOBI/怪物】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
最高です、、、
とても面白かったです!意味がわかったので、今後ますます楽しんで聞けそうです‼︎
これからももっと教えて欲しいです。頑張ってください!応援してます。
なるほど!!
よくわかりました☺️Beasters怖いドラマっぽいけどとても興味深い
考察、とても良かったです!
ありがとうございました!
補足ですが、1番の真っ黒な目は
うさぎのハルのことかと思います
原作でも出てきていたので、多分、、
この曲大好き!
ikuraちゃんのいつもとは違う雰囲気の声も好きだしリズムも好き。
最後の「僕の中の僕を超える」のところがめっちゃ好き!
元からこの曲好きだったけど、考察聞いてもっと好きになりました!
とてもいい考察を、ありがとうございます!
これからも頑張ってください!
素晴らしい解説ありがとうございます