【Official髭男dism】の「ミックスナッツ」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 「ミックスナッツ」の意味
✔ アニメにマッチしすぎた歌詞
人気アニメ「SPY×FAMILY」主題歌として書き下ろされた大注目の楽曲。歌詞に注目してその意味を紐解いていきます!
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「SPY×FAMILY」オープニング主題歌
今回紹介していく「ミックスナッツ」は、TVアニメ「SPY×FAMILY」のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲です。
2022年4月15日には楽曲の配信リリースとMVの公開がスタートしてます。
「SPY×FAMILY」は「少年ジャンプ+」で連載中の大人気マンガ。
凄腕スパイの“黄昏”、超能力少女・アーニャ、殺し屋・ヨルの3人が、それぞれの素性を隠したままで仮初の家族を築き、「家族としての普通の日常」を送ろうと奮闘するホームコメディ作品となっています。
本物の家族ではないけれど、だからこそ生まれる会話の面白さや本物のような家族の温かさが最高です。
エンディング主題歌である星野源さんの「喜劇」についてはこちらの記事で解説しておりますので是非。
Official髭男dismは楽曲について、
本当に素晴らしい作品で、自分もいちファンとしてアニメ化を切望していたのでとても嬉しい気持ちです。作画も素晴らしく、是非ご期待頂ければと思います。
そしてもし良ければ、オープニング主題歌「ミックスナッツ」の方にも思いを馳せながら聴いて頂ければ嬉しいです。
とコメントされていました。
偽りの家族を描いた作品を彩る、軽快でポップな楽曲「ミックスナッツ」。
一体何を歌った楽曲なのか、歌詞を見ながら解説していきます!
歌詞
袋に詰められたナッツのような世間では
誰もがそれぞれ出会った誰かと寄り添い合ってる
そこに紛れ込んだ僕らはピーナッツみたいに
木の実のフリしながら 微笑み浮かべる幸せのテンプレートの上 文字通り絵に描いたうわべの裏
テーブルを囲み手を合わすその時さえ ありのままでは居られないまま隠し事だらけ 継ぎ接ぎだらけのHome, you know?
噛み砕いても無くならない 本音が歯に挟まったまま
不安だらけ 成り行き任せのLife, and I know
仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る
この真実だけでもう 胃がもたれてゆく化けの皮剥がれた一粒のピーナッツみたいに
世間から一瞬で弾かれてしまう そんな時こそ
曲がりなりで良かったらそばに居させて
共に煎られ 揺られ 踏まれても 割れない殻みたいになるから生まれた場所が木の上か地面の中か それだけの違い
許されないほどにドライなこの世界を 等しく雨が湿らせますように時に冷たくて 騒がしい窓の向こうyou know?
星の一つも見つからない 雷に満ちた日があっても良い
ミスだらけ アドリブ任せのShow, but I know
所詮ひとかけの日常だから 腹の中にでも 流して寝よう隠し事だらけ 継ぎ接ぎだらけのHome, you know?
とっておきも出来合いも 残さずに全部食らいながら
普通などない 正解などないLife, and I know
仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る
この真実だけでもう 胃がもたれてゆく
この一掴みの奇跡を 噛み締めてゆく
作詞:藤原聡
歌詞の意味・解釈
1番
袋に詰められたナッツのような世間では
誰もがそれぞれ出会った誰かと寄り添い合ってる
そこに紛れ込んだ僕らはピーナッツみたいに
木の実のフリしながら 微笑み浮かべる
今回の楽曲では、秘密を抱えて生きている自分たちをミックスナッツの中のピーナッツに例えています。
Official髭男dismはこの楽曲テーマについて、
と発言されていました。
他のナッツはいわゆる”木の実”の仲間ですが、実はピーナッツだけはマメの種子なので木の実ではありません。
《僕らはピーナッツみたいに 木の実のフリしながら 微笑み浮かべる》
作中のアーニャの好物であり、木の実の寄せ集めであるミックスナッツの中で唯一、本当は木の実ではないにもかかわらず、木の実のふりをして紛れ込んでいるピーナッツ。
登場人物のそれぞれがスパイや殺し屋、超能力者であるという素性を隠して「家族」を演じ、寄り添い合って生きている「SPY×FAMILY」という作品の主題歌として、これ以上のテーマは無いのではないかとすら感じてしまうような、抜群の楽曲テーマとなっています。
幸せのテンプレートの上 文字通り絵に描いたうわべの裏
テーブルを囲み手を合わすその時さえ ありのままでは居られないまま
「SPY×FAMILY」作中では、人の心を読める超能力少女・アーニャだけが両親の秘密を知っており、夫婦は互いのことも娘の能力の事も全く知らないという状態。
上の画像のように、殺し屋やスパイとしての自らの一面を隠して「妻」「夫」という仮初の姿を演じています。
【家族】という文字通り《幸せのテンプレートの上》にいながらも、テーブルを囲む安息の時ですら、ありのままの自分をさらけ出すわけにはいかないのです。
なかなかここまでの秘密を抱えた家族はいないだろうと思いますが、日常の中で、人は誰しも何かしらの秘密を抱えて生きているもの。
ミックスナッツのように色んな人が寄せ集められて生きている世の中で、ナッツのふりをして、ありのままではいられないままで日常を演じているという点では私たちもピーナッツであり、「SPY×FAMILY」と変わりないのかもしれません。
サビ1
隠し事だらけ 継ぎ接ぎだらけのHome, you know?
噛み砕いても無くならない 本音が歯に挟まったまま
不安だらけ 成り行き任せのLife, and I know
仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る
この真実だけでもう 胃がもたれてゆく
隠し事だらけ、継ぎ接ぎだらけで【家族】として生きる3人。
《仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る》
このサビでは、たとえそれが仮初まみれだったとしても、それでもいいと思えるほど幸せや喜びを感じている彼らの様子が描かれているように思います。
《噛み砕いても無くならない本音が歯に挟まったまま》
《胃がもたれてゆく》
この楽曲には、このようなナッツにちなんだ歌詞が数多く登場しています。
ヒゲダンらしく遊び心があって面白い表現です。
《この真実だけでもう 胃がもたれてゆく》
「胃もたれ」は食事の後に胃が重く感じる症状のことで、通常ネガティブな意味で使われる言葉なのですが、ここではどうやらプラスの意味で用いられています。
ここに僕が居て、あなたが居る、たったそれだけのことで胃がもたれるくらい満足で幸せなのだ、といった感じ。
あくまで仮初でしかないけれど、それでも彼らは本当の家族のような幸せを感じているのです。
2番
化けの皮剥がれた一粒のピーナッツみたいに
世間から一瞬で弾かれてしまう そんな時こそ
曲がりなりで良かったらそばに居させて
共に煎られ 揺られ 踏まれても 割れない殻みたいになるから
1番は「SPY×FAMILY」主題歌として、作品の世界観を意識した歌詞が多かったような印象を受けました。
2番は引き続き作品の世界観を描きながらも、比較的一般化されており私たちリスナーに語り掛けるような歌詞になっているように感じます。
《化けの皮剥がれた一粒のピーナッツみたいに 世間から一瞬で弾かれてしまう そんな時こそ》
化けの皮が剥がれ、誰かがいわゆる ”普通” の人ではないと分かった途端にコミュニティからはじき出してしまう社会。
《鬼ごっこドッチボール何に例えても常識の範疇を超えてやしない?》
なんて歌詞が情報社会を嘆いたヒゲダンの他の楽曲で登場したりしますが、良くも悪くも高度に情報網が発達し、炎上やいじめも日常茶飯事の冷淡な世の中です。
そんな中で、彼らは《共に煎られ 揺られ 踏まれても 割れない殻みたいになるから》と歌ってみせます。
例え世間に爪弾きにされようと、ピーナッツの殻のように守ってみせるから、と。
この先も、私たちに語り掛けるような明るくて軽快な歌詞は続いていきます。
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